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睡眠BGMの効果を知って睡眠の質を上げたい人へ
はじめに
睡眠は私たちの健康に欠かせない要素であり、その質を向上させるための手段として音楽が注目されています。音楽が私たちの脳や身体にどのように影響を与えるのか、知っていますか?
例えば、睡眠音楽を聴くことで副交感神経が優位になり、心拍数や血圧が低下し、リラックス状態が高まることが知られています。この効果は、特にα波を含む音楽や自然音などが有効であり、結果として、入眠の助けになります。また、ストレスを和らげることによって、不眠症や寝つきの悪さに悩む方々にも応用することができます。
睡眠BGMに興味がある人の多くは、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めるなど、不眠に関連した悩みを抱えています。その一方、睡眠の質を良くして健康を維持したいという人もいます。寝落ち音楽を求めている人の気持ちも、よく分かります。そういった場合に、音楽は手軽で効果的な対処法の一つにある可能性があります。
どんな音楽が快眠の助けになるのか、そのメカニズムと実際の効果について理解することで、質の高い睡眠を手に入れるための第一歩を踏み出すことができるでしょう。今回のブログ記事では、音楽が睡眠に与える影響、音楽療法のメリットを理解して、皆さんが自分にとって最適な睡眠音楽を見つける手助けをします。
睡眠に良い音楽の効果とは?
睡眠音楽と自律神経の関係
音楽BGMは、自律神経系に大きな影響を与えます。自律神経には、体が興奮状態にあるときに働く交感神経と、落ち着いているときに優位になる副交感神経の2種類があります。
寝る前に適切な音楽を選ぶことで、副交感神経が優位になり、ストレスを軽減する効果が期待されます。副交感神経はリラックスや休息を促進する役割があり、音楽によってこれを活性化させることができます。
睡眠音楽を聴くことで、緊張をほぐす神経系が高まって、心拍数や血圧が下がります。これにより、体は自然とリラックスして眠りに入る態勢になります。さらに、音楽はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑え、心の安定をもたらします。
海外の研究によると、寝る前にゆったりとした音楽を聴くことで、深い眠りの時間が延び、睡眠の質が向上したと報告されています。この効果は、終夜睡眠ポリグラフ検査によって評価されました。
睡眠BGMとアルファ波の関係
α波は脳が発する電気的な信号で、周波数が8Hzから13Hzの範囲にある脳波です。このα波は、 リラックスしているときや、静かに目を閉じているときに増加し、副交感神経を優位にする働きがあります。逆に、目を開けたり何かに集中しているときには、α波の活動は抑えられます。
ゆったりとしたテンポのクラシック音楽、自然音(雨音、波の音、森の中の環境音など)は、α波を誘発しやすいことが知られています。そのため、心地よい眠りへと導くために活用することができます。
このように、音楽がどのように脳と体に働きかけ、質の高い睡眠をもたらすかについて、理解しましょう。睡眠BGMは薬を使わずに自然な形で睡眠を改善する手段の一つになります。そして、その知識は、あなたのより良い睡眠習慣を築くための大きな助けとなる可能性を秘めています。
あなたの知り合いにも、スマホで睡眠BGMを聴いている人がいるかもしれませんね。
音楽を聴くと、不眠症がある人の眠りの質が改善しますか?
音楽による介入が、寝付くまでの時間、全体的な睡眠の質について、メリットがあるという研究報告があります。このことは、不眠症への対処として、音楽によるリラクゼーションが一つの選択肢になる可能性があります。
おすすめの睡眠BGMのジャンルと選び方
睡眠に良い音楽を選ぶ際、個々のニーズに合ったジャンルを見つけることが重要です。まず、クラシック音楽はその安定したリズムとメロディーが特徴で、リラックスを促し、心地よい眠りへと導く効果があります。
特に、モーツァルトやバッハの曲は、落ち着いたテンポで脳をリラックスさせ、深い睡眠をサポートします。一方、ヒーリングミュージックは、心を穏やかにし、ストレスを解消するために効果的です。また、森の音、風の音などの環境音も脳をリラックスさせ、自然な形での眠りを促します。
音楽を選ぶ際は、個々のニーズに合わせることが重要です。例えば、赤ちゃんには優しいオルゴールの音や、柔らかいメロディーが含まれる楽曲が良いでしょう。その一方、高齢者には、落ち着いたクラシック音楽や、昔から親しまれているメロディーが安心感を与え、リラックス効果を高めます。
ストレスに悩むビジネスパーソンには、ヒーリングミュージックや、低い周波数を含む癒しの音楽が効果的です。これらの音楽は、長時間の仕事で疲れた心と体を癒し、深い眠りへと導きます。それぞれの生活環境やストレスの程度に応じた音楽を選ぶことで、より効果的な睡眠の改善が期待できるでしょう。
睡眠に関連した楽曲の特徴として、どのような特徴がありますか?
一般的な音楽と比べると、睡眠BGMはもっと柔らかく、ゆったりとしたリズムで、歌詞のないインストゥルメンタルやアコースティック楽器の演奏が多いことが分かっています。
おすすめの自然音は何ですか?
雨音、波の音、森の音、虫の音(コオロギ、セミの声)、小川のせせらぎ、焚き火の音などが、あげられます。個人差はありますが、リラックス、心地よさ、安心感を与える効果、気持ちを穏やかにしてくれる作用を期待することができます。
筆者は、自然音とクラシック音楽の組み合わせを使うことが多いです。スマホアプリ、YouTube、TikTokなどの動画サイトには、さまざまな睡眠BGMがアップされています。あなたにとって、どんな曲が合っているか試してみることを勧めます。
以下の動画は、不眠で悩んでいる人のために睡眠専門医が監修した「おすすめ睡眠音楽」です。睡眠導入の助けになれば幸いです。人気のクラシック音楽と自然音を組み合わせた旋律です。
睡眠に良い音楽の聴き方と活用法
音楽を効果的に活用して質の高い睡眠を得るためには、適切な聴き方とタイミングが重要です。
それでは、いつ音楽を聴くべきなのでしょうか? 一つのアイデアとして、寝る30分前からの時間を試してみましょう。就寝前の時間帯にリラックスできる音楽を聴くことで、体と心を睡眠モードに誘導することができます。「脳にもうすぐ寝る態勢になりますよ」というシグナルを送るイメージです。
音量は控えめに設定し、耳に負担をかけない程度にしましょう。また、イヤホンを使用する場合は、長時間の使用を避け、できるだけスピーカーで音楽を流すことをお勧めします。これにより、耳への圧迫感を軽減し、よりリラックスした状態で眠りにつくことができます。
音楽の他にやるべきことはありますか?
睡眠環境を整えることが、おすすめです。例えば、リラックスできる香り(ラベンダーやカモミールなどのアロマオイル)を使用することで、音楽と相乗効果を生み出します。また、照明も重要な要素で、寝る前には暖色系の柔らかい光を使い、目に優しい環境を作りましょう。反対に、寝る前のブルーライトはメラトニン分泌を抑えてしまうので控えましょう。
睡眠音楽を取り入れる際の注意点
睡眠BGMを取り入れることで、リラックス効果が期待できます。しかし、眠りを妨げないように楽しむためにはいくつかの注意点があります。
音量には十分気をつける必要があります
大音量で音楽を聴くと、逆に脳が刺激されてしまい、リラックスどころか睡眠の質を下げてしまいます。なぜなら、交感神経が優位になってしまうからです。
イヤホンを使用する場合も、長時間の装着は耳に負担をかけるので注意しましょう。ボリューム調節を誤って大きな音で睡眠BGMを聴くと、イヤホン難聴が発症する危険性が高くなります。
目安となる睡眠BGMの音量は?
40デシベル以下です。とても静かな環境に相当しており、具体的には、静かな図書館での音や、穏やかな雨音、または落ち着いた住宅街の静かな午後の風景などをイメージしてください。ささやき声も、同じくらいの音量と言えます。
出典:Study reveals the relaxing music to help you sleep – UNSW Sydney
選曲にも注意してください
過剰な刺激を与える音楽や、リズムが激しい音楽は、睡眠に悪影響を与えます。例えば、テンポが速く、強いビートを持つ音楽は、リラックス状態を妨げ、心拍数を上昇させてしまうことがあります。つまり、交感神経を高めてしまう結果となって逆効果です。そして、そのような音楽を寝る前に聴くことで、かえって寝つきが悪くなったり、浅い眠りになったり、不眠が悪化する懸念があります。
睡眠の観点からみると、夜間に視覚や聴覚を強く刺激する動画や音楽は避けるほうが無難です。筆者の経験でも、激しいタイプの曲は不眠になりやすい傾向があります。
結論として、曲の選び方に気を付けて、穏やかでリズムが安定した音楽を選択することを勧めます。自分に合った音楽を見つけることが、ぐっすり眠れるためのカギとなります。