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新型コロナを乗り切る睡眠:8つのヒント
外出自粛中の睡眠で注意すべきことは?
新型コロナウイルス感染症が流行しており、全国で、不要普及の外出を控えるようになっています。仕事面でも、テレワークが多くなっており、在宅の時間が長くなっています。
普段とは異なる生活リズムの中で過ごしており、就寝と起床時間が乱れやすい傾向となっています。さらに、COVID-19に対する不安、恐怖、そして、自宅待機が多い中で生じやすい孤独感とストレスは、精神面にも悪影響を及ぼします。
新型コロナウイルスに対する有効な治療薬が開発されていない状況下で、十分な睡眠をとる方法を知っておくことは、私たちの体の免疫を下げないために、大切なことです。
今回は、米国睡眠学会(American Academy of Sleep Medicine:AASM and Sleep Research Society:SRS)、国立睡眠財団(National Sleep Foundation)、欧州睡眠学会(European Sleep Research Society:ESRS)の勧告を参考に、睡眠専門医が考察を加えながら、良い睡眠をとるためのヒントを解説していきます。
良い睡眠をとるためのヒント
1.毎日の予定と日課を決めておく
在宅勤務、休業中は、夜更かし、朝寝坊になりがちです。睡眠リズムを崩さないために、以下の内容を確認してください。
時間 | 注意事項 |
---|---|
起床時間 | 目覚まし時計で、起きる時間をセットする。スヌーズ機能は使わないようにしましょう。毎日、同じ時刻に起きることでリズムを保ちます。 |
寝る前のくつろぐ時間 | 少なくとも1時間前にはベッドに入る準備として、歯磨き、パジャマの着替えをしてリラックスしましょう。読書、ストレッチなども良いです。 |
就寝時間 | 決まった時間に寝室の電気を消して、眠りにつくようにしましょう。寝室を暗く、静かな環境に整備しておくことが大切です。 |
睡眠時間のスケジュールに加えて、次のことも大切です。
家から出ていないときも、日頃と同じく、シャワーあるいは風呂に入る。夕食の時間を同時刻にすること。食事は就寝3時間前に済ませましょう。遅い夕食は肥満の原因になるので要注意です。
日課として、仕事と運動の時間を決めておきましょう。一日を振り返り、日記を書くことも良い方法です。
2.ベッドは寝るためだけに使うこと
睡眠衛生の基本ですが、ベッドは寝るためにあると、頭の中で動機付けすることが大切です。勉強、仕事を寝室に持ち込まないことが大切です。スマホで動画、ゲームをする、ニュースを見る、SNSを行うことは避けましょう。
もし、20分以上、ベッドで寝付かれなくて、寝返りを打っているときは、ベッドから出ましょう。そして、弱めの光で、リラックスできることをして、再び、ベッドに入るようにしてください。
3.光に注意して生活をしてみる
私たちの体の中にある体内時計は、睡眠と覚醒を調節しています。自宅に引きこもった状態が続くと、光刺激が不足しがちになります。
・朝は太陽光を浴びることが大切です。
体内時計をリセットすることができます。窓とブラインドを開けて、光を取り入れるようにすることを勧めます。
・夕方以降は光刺激を避けましょう。
夜に近い時間帯に光刺激があると、睡眠リズムが遅れがちになります。そのため、スマホ、パソコン、ゲームなど、ブルーライトを発するものは避けてください。
目安として、少なくとも寝る1時間前には中止してください。ブルーライトを軽減するアプリを利用したり、フィルターを画面にかけることをお勧めします。
4.昼寝に注意する
・昼寝は10~20分の短い時間にする。
1日中、家にいると、何度もベッドにごろんとしたり、昼寝をしたりする人があります。長すぎる昼寝をとったり、午後の遅い時間に眠ってしまうと、夜眠れなくなる原因になります。入眠時間が遅くなる傾向になるので、睡眠相後退型の睡眠障害(遅寝、朝起きられない)が発症します。
5.身体の活動も大切です
毎日の定期的な運動は、良い睡眠をとるのに、効果的です。外出が自粛している中、人混みを避け、ソーシャルディスタンス(2メートル以上の距離をおく)を守りながら、散歩することはお勧めです。
ジム、ヨガ、ダンス教室が閉鎖されている状況下では、室内のテレビモニターで、エクササイズを指導する動画プログラムを活用する方法があります。体を動かすことは、コロナ不眠を防ぐのに役立ちます。
6.心の優しさを保ち、つながりを大切にする
他人への思いやり、感謝する気持ち、そして、自分を取り巻く人々とのつながりは、あなたの精神にとって、プラスに働きます。結果的に、睡眠にも良い影響を及ぼします。
良くないニュースが流れていますが、私たちの生活を支えてくれる人々に対して感謝の気持ちを忘れず、ポジティブに物事を考えることが大切です。
遠くにいる友人、一緒に住んでいない家族とは、直接会うことができなくても、SNS、ビデオチャットなどで、交流を深めると良いです。孤独感から来るコロナうつを予防するためにも、取り組みましょう。
7.リラクゼーションできる方法を探す
自分にとって、心が休まる方法が何であるか調べて、実践すると、睡眠の質が良くなります。深呼吸、ストレッチ、ヨガ、瞑想、心を静める音楽、読書などがありますが、あなたに合ったものを選んでください。
スマホを持っている人では、瞑想アプリなどを利用する人もいます。
ところで、たくさんの新型コロナウイルス感染症のニュースを見ることに疲れることもあります。コロナ疲れを防ぐためにも、次のようなルールを決めておくと良いかもしれません。
- 信頼できるニュースサイトのみ閲覧する
- COVID-19関係のニュースを見る時間を制限する。
- ソーシャルメディアを見る時間帯を決める。
代わりに、家族や友人との会話を増やす。このとき、コロナの話題以外のもので、ポジティブなことを話すことがコツです。
8.健康的な食生活を保つ
・食べ過ぎ、飲酒、カフェインに注意する
自宅で過ごしている時間が長く、運動が不足しがちになると、どうしても体重が増える傾向があります。過食には十分に注意してください。
ストレス発散から、スイーツを食べる機会が増えたり、アルコール摂取量も多くなると体に良くないので気を付けなければなりません。
コーヒー、紅茶、日本茶などのカフェインの過剰摂取も依存の問題や眠りの質の低下につながります。そのため、適量としましょう。カフェイン摂取は寝る6時間前には中止してください。
出典:
Sleep Guidelines During the COVID-19 Pandemic:Sleep Foundation
Sleeping Tips When Staying Indoors During Isolation Period:Sleep Research Society
どんなとき病院に相談すればよいか
眠れない状態が続き、昼間の眠気、日中の活動に支障があるとき、抑うつ症状など、こころの状態に異変を感じるときは、医師に相談してください。
具体的には、夜、眠れなくて、次のような症状が問題となっているときは、1人で悩まず、睡眠専門医の診察を受けることを考えてください。
- 疲れている、何となく気分がすぐれない
- 集中力が落ちている
- 家事が進まない、在宅ワークが捗らない
- 抑うつ症状がある、やる気が低下している
- 日中の眠気がひどい
- 体力が低下している
- ミスが多い
- 睡眠の状態に満足していない