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子どもの花粉症・アレルギー性鼻炎に使う治療薬とは
鼻水・くしゃみ症状をお薬で解消したい方へ
「うちの子の鼻水が止まりません、目もかゆくて真っ赤です」
「学校から帰ってくると、ぐったりとしています」
「薬の効き目が弱いので、他の薬はありませんか」
毎年、春になるとスギ花粉症で悩んでいる養育者から、相談をよく受けます。
子どもの花粉症が疑われる症状とは
鼻水、くしゃみ、鼻づまりが主な症状ですが、以下にあるような症状や行動も、小児の花粉症を疑うサインです。
- 鼻をいじる、こする
- 鼻づまりのため口呼吸が多く
- イビキをかく
- 朝、起きたときのくしゃみ
- のどの違和感がある
- のどがイガイガした感じ
- 咳が長引き、咳止めを飲んでも治まらない
- 目がかゆくなり、こすることが多い
毎年、同じ時期になると症状が出てくることも、特定の花粉に反応しているという手がかりとなります。
何歳頃から、花粉症にかかりますか?
1~2 歳で花粉症を発症することがあります。
朝に発作的にくしゃみと鼻水が出る症状はありますか?
モーニングアタックと呼ばれています。就寝から起床に移行する時間帯において自律神経の変化が起きることが、アレルギー症状の増悪に関係しています。
日常生活への影響
重症の場合は、皮膚のかゆみ、頭が重い感じ、頭痛、熱っぽい感じ、体がだるい症状などが出現します。
夜、眠れないことが続くと、集中力の低下につながり、学習能力への影響も出ます。
お早めに、近くの耳鼻科、小児科の病院への相談を勧めます。
原因について
1.春に多い原因
スギ、ヒノキが圧倒的に多いです。2~4月ごろ、山林地帯から風に吹かれて広域に花粉が飛散します。マイナーな存在かもしれませんが、ハンノキは1月から飛散が始まります。
本州と比較すると、北海道ではシラカバが原因になることが多いです。
2.夏に多い原因
カモガヤ、オオアワガエリなどのイネ科の植物です。
3.秋に多い原因
ブタクサ、ヨモギ、アキノキリンソウなどのキク科目の植物が多いです。
診断について
症状の経過、問診、鼻の視診などに加えて、鼻水の中に含まれている好酸球を調べる鼻汁好酸球検査を行います。
その他、血液検査で原因物質を調べることもあります。
鼻水・くしゃみ症状に有効な薬
第二世代の抗ヒスタミン薬を使います。
眠気の少ない薬を紹介します。
・アレグラ
フェキソフェナジンとも呼ばれるもので、小児用の錠剤があります。眠気が少ないことが特徴です。
・クラリチン
口の中で溶けるタイプ(OD錠)もあります。1日1回で済むので便利です。
鼻づまり症状に効果がある薬
抗ロイコトリエン薬を用います。鼻閉の症状を和らげることが得意な薬です。
・オノン
カプセル、ドライシロップがあり、抗ヒスタミン薬と併用することあります。
・キプレス、シングレア
咳の症状が出ているなど、喘息の症状を合併しているときに、小児では使用します。
症状がひどいときに考える薬
鼻水が止まらない、鼻が詰まって眠れないほど、咳も出るようになって、症状がひどいときは、どんなタイプの薬を検討するか紹介します。
・アレロック
鼻炎の症状を効果に優れますが、眠気が問題となります。口の中で溶ける錠剤、顆粒があります。
・ザイザル
ジルテックと呼ばれる薬を改良したもので、シロップがあります。ジルテックよりは眠気が少ないです。
・セレスタミン
第一世代の抗ヒスタミン薬(眠気の副作用あり)とステロイドが配合されているものです。
錠剤とシロップのタイプがあります。重症の場合に考える薬です。
点鼻薬の種類
・フルナーゼ
小児用の規格もあるステロイド製剤を含む鼻スプレーです。1日2回、噴霧します。
・ナゾネックス
1日1回タイプの鼻スプレーです。外来ではよく処方しています。
・アラミスト
ナゾネックスの後継となる点鼻薬です。横押し型の噴霧薬です。
目薬について
通常は結膜の炎症を抑えるため、抗ヒスタミン作用のある下記の点眼薬を使います。痒みの症状を和らげます。
・パタノール
・ザジテン
・アレジオン
・リボスチン
それでも治まらないときは、ステロイドが含まれている目薬を処方します。
・フルメトロン
・リンデロン
漢方を活用する
アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎に対する保険適応がある、小青竜湯を使います。年齢によって、飲む量を調節すれば、症状を緩和するのに役立ちます。
眠くならないメリットがあるので、受験生にも活用できます。
抗ヒスタミン薬に漢方を追加して、ひどい鼻水、くしゃみが止まらない症状に対処することができます。
岐阜市にある当院では、治療相談を承っております。
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