- ホーム
- Apple Watchで睡眠について分かることは?
Apple Watchで睡眠について分かることは?
結論から言うと、Apple Watchで睡眠について分かるのは、何時間寝たかだけでなく、「どんな眠り方をしているか」という傾向です。
具体的には、就寝時刻と起床時刻、睡眠時間、コア睡眠・深い睡眠・レム睡眠・覚醒の流れ、さらに睡眠中の心拍数や呼吸数の変化を確認できます。そのため、「寝る時間が遅くなっていないか」「夜中に何度も目が覚めていないか」「睡眠時間が足りているか」を振り返るのに役立ちます。

ただし、Apple Watchの睡眠ステージ判定はPSG(終夜睡眠ポリグラフ検査)による睡眠ステージとは異なるので、睡眠障害をApple Watchの睡眠スコアだけで診断することはできません。
Apple Watchの睡眠記録は正確ですか?
睡眠専門医として申し上げると、Apple Watchの睡眠記録は参考になりますが、医療機関の精密検査ほど正確ではありません。
Apple Watchは体の動きや心拍などから睡眠を推定するため、日々の傾向を見るには便利です。その一方、脳波を直接測っているわけではないため、深い睡眠や覚醒の判定が実際の状況とずれることもあります。大切なのは、一晩の数字を信じすぎず、数日から数週間の流れで見ることです。
Apple Watchのコア睡眠・深い睡眠・レム睡眠とは何ですか?
Apple Watchの結果で表示される睡眠ステージの判定の項目で、コア睡眠・深い睡眠・レム睡眠・覚醒は、眠りの質を単純に点数化するものではなく、一晩の睡眠の流れを示す目安です。
どれか一つが多い少ないだけで良し悪しは決まりません。大切なのは、一晩を通してのバランスと、日中の眠気や熟眠感をあわせて解釈することです。
注意点として、終夜睡眠ポリグラフ検査で判定されるステージN1、N2、N3、REMとは厳密には異なるものです。
| 睡眠ステージ | 特徴 |
|---|---|
| 覚醒 | 眠っている途中で一時的に目が覚めている状態です。短時間の覚醒は誰にでもありますが、何度も長く続くと、睡眠の質が低下します。 |
| レム | 夢を見やすい眠りで、脳が比較的活動している睡眠です。記憶や感情の整理に関係するとされ、夜の後半に増えやすい傾向があります。 |
| コア | 浅めの眠りから普通の眠りにあたる時間です。Apple Watchでは、夜の睡眠の大部分をここが占めることが多く、コア睡眠が多いから悪いという意味ではありません。 |
| 深い | 体をしっかり休ませる眠りです。疲労回復に関わりやすく、眠り始めの前半に多く出やすいのが特徴です。脳波のステージN3に類似しており、夜の前半にみられる傾向があります。 |
出典:Estimating Sleep Stages from Apple Watch
Apple Watchの睡眠ステージの理想的な割合は?
結論から言うと、Apple Watchの睡眠ステージに「これが絶対理想」という割合はありません。
深い睡眠やレム睡眠の割合は年齢、睡眠時間、飲酒、ストレス、体調で変わるため、たった1日の数値だけで良し悪しは決められません。
大切なのは、毎回の割合に一喜一憂することではなく、自分の中で大きく崩れていないか、日中の眠気や熟眠感とずれていないかを数週間の単位で確認することです。
Apple Watchの睡眠の質の見方は?
結論から言うと、Apple Watchの睡眠の質は、深い睡眠の多さだけでなく、睡眠時間、途中覚醒、朝のすっきり感、日中の眠気まで含めて見るべきです。
数字が良く見えても日中つらければ、質が高いとは言えません。逆に、深い睡眠が少なく見えても元気なら過度に心配しなくてよいこともあります。大切なのは、一晩の表示に振り回されず、生活習慣や体調と合わせて1〜2週間の流れで判断することです。
Apple Watchの睡眠スコアが気になり、完璧な睡眠にこだわりすぎると、オルソソムニアと呼ばれる状況が現れることがあるので、注意しましょう。
睡眠時の呼吸数と酸素レベルはApple Watchで確認できますか?
Apple Watchでは睡眠時の呼吸数や酸素レベルの傾向を確認できますが、その数字だけで異常や病気を判断することはできません。
特に血中酸素レベルは、実際に数値が低くなっているときほどデバイスの誤差が大きくなりやすいという特性があります。そのため、数値が「正常」と表示されていても、日中の強い眠気やいびき、息苦しさなどの自覚症状がある場合は、数字を過信せず医師に相談することが大切です。
呼吸数の測定についても、心拍数ほど十分な検証が進んでいない段階にあります。1日ごとの細かい変化に一喜一憂するのではなく、数週間単位の長期的なトレンドとして捉えることが大切です。
睡眠時無呼吸症候群はApple Watchでチェックできますか?
Apple Watchは睡眠時無呼吸症候群の可能性に気づくきっかけにはなりますが、それだけで確定診断はできません。
大きないびき、無呼吸を家族に指摘される、日中の強い眠気、起床時の頭痛、高血圧がある場合は、睡眠時無呼吸症候群が疑われるサインです。

正確な診断には睡眠外来での検査が必要です。数字だけで安心せず、症状があれば早めに相談することが大切です。
Apple Watchで特に注意したい通知は何ですか?
結論から言うと、特に注意したいのは「不規則な心拍の通知」と「睡眠時無呼吸の通知」の2つです。
不規則な心拍の通知は、心房細動の可能性があります。心房細動は動悸がなくても隠れていることがあり、放置すると脳梗塞のリスクにつながることがあります。つまり、Apple Watchは非侵襲的な心房細動のスクリーニングツールとして活用できます。

一方、睡眠時無呼吸の通知は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。いびき、日中の強い眠気、起床時頭痛、高血圧がある方は特に注意が必要です。
睡眠時無呼吸症候群と心房細動について、Apple Watchだけで確定診断はできません。しかし、見逃しやすい危険な病気に気づくきっかけになります。通知が出たら、そのまま放置せず、医療機関に相談することが大切です。


