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睡眠時無呼吸症候群においてリベルサスは使用できる?
睡眠時無呼吸症候群があること自体を理由に、リベルサスが保険適用として使用できるわけではありません。
この点は誤解が多いポイントです。リベルサスは2型糖尿病治療薬として承認されており、睡眠時無呼吸症候群そのものに対する「保険適用の病名」ではありません。ただし、睡眠時無呼吸症候群の背景に2型糖尿病を併発している場合は、血糖コントロールを目的として検討されるケースがあります。
CPAP治療と並行して糖尿病および体重管理について、リベルサス処方の可否が医学的根拠に基づいて判断されます。つまり、GLP-1 受容体作動薬の適正使用が求められています。

出典:GLP-1 受容体作動薬および GIP/GLP-1 受容体作動薬の適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解
リベルサスの費用と保険適用はどうなる?
睡眠時無呼吸症候群のみではリベルサスは保険適用になりません。
多くの方が最初に気にされるのが費用です。CPAP治療は健康保険が適用され、自己負担3割の場合、月額5,000円くらいの費用になります。一方、リベルサスは「2型糖尿病」という適応病名があって初めて保険適用となります。
睡眠時無呼吸症候群と肥満があるだけで処方することはできず、その場合は自由診療となり、月数万円の自己負担が発生します。つまり「CPAP+リベルサス=必ず保険で使える」という構図は成り立ちません。
リベルサスの副作用やデメリットは?
リベルサスには消化器症状を中心とした副作用リスクがあります。
リベルサスで最も多い副作用は、吐き気、胃もたれ、食欲低下、下痢などです。CPAP治療中の患者さんは、睡眠の質の改善と同時に日中の体調変化も気になります。食欲の低下や体重減少が起こると、ふらつきや倦怠感を感じることもあります。これらのリスクを下げるには、少量から開始し、体調変化をみながら調節していくことが大切です。
CPAP治療だけとリベルサス併用、どちらを選ぶ?
もし「今すぐ無呼吸を改善したい」ならCPAP治療が正解です。
CPAPは、睡眠中の無呼吸および低呼吸、低酸素血症を確実に改善する治療法です。一方、リベルサスは糖尿病の治療が主目的であり、体重減少を通じて睡眠時無呼吸の重症度を下げる「間接的なアプローチ」と言えます。
海外の医学研究データによれば、リベルサス(一般名:セマグルチド)投与によって体重減少をもらたし閉塞型睡眠時無呼吸の改善に寄与する可能性が指摘されています。しかし、長期の追跡調査による検証が必要です。
現在のところ、短期的な効果を期待するならCPAP、長期的に体重管理も含めて改善を目指すなら「生活指導+必要に応じた薬物療法」という役割分担になります。

リベルサスは肥満を伴った2型糖尿病があるときに検討します。「CPAPを使えば無呼吸がコントロールできる」「薬を使えば肥満が良くなってCPAPから卒業できる」という二者択一ではなく、目的に応じた組み合わせを考えることが大切です。
リベルサスを服用すればCPAPをやめられるか?
結論から言うと、体重が減っても自己判断でCPAPをやめてはいけません。
体重減少によって無呼吸低呼吸指数(AHI)が改善するケースはあります。しかし、一定の改善があったとしても、CPAP中止の判断は睡眠検査による評価が正確です。

「痩せたからCPAPはいらない」という自己判断は、残存する無呼吸の見落とし、心血管リスクの見逃しにつながります。実際の臨床では、CPAPを継続しながら体重管理を行い、終夜睡眠ポリグラフ検査による再評価の結果をもとに判断するのが適切です。
睡眠時無呼吸があるときのリベルサス処方可否の流れは?
最初のステップは、CPAP治療の安定と2型糖尿病の評価です。
まずCPAP治療が適切に行われているかを確認し、その上で、肥満、糖尿病、他の生活習慣病(高血圧、脂質異常症など)の併発を評価します。場合によっては、75gOGTTによる食後血糖とインスリンの推移を調べることもあります。

2型糖尿病が確定して医師がリベルサスの必要性を判断すると、薬の処方ができます。目的は「血糖コントロールの安定化」と「生活習慣の指導による肥満の是正」です。


