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健康診断で肥満と言われたらどうしたらいいですか?
結論から言うと、①体重、腹囲と血圧・血糖・脂質の状態を確認し、②3か月で「自分で取り組むことができる効果的なダイエットと運動の習慣」を始め、③必要なら医療(保険診療)を使うのが最短ルートです。
健康診断の「肥満」は、体型の問題ではなく、将来の糖尿病、高血圧、脂肪肝、心筋梗塞および脳卒中の発症リスクのサインです。特に内臓脂肪型(腹囲が増えているタイプ)は、同じ体重でも危険度が跳ね上がります。
健康診断あるいは特定健診で肥満に引っかかったとき、まず確認したい項目は、「腹囲」「血圧」「空腹時血糖/HbA1c」「中性脂肪・LDLコレステロール」「肝機能(γGTP、AST、ALTなど)」です。これらの健診項目において複数に該当するなら、セルフケアと同時に内科の医師に相談することを勧めます。

出典:【今さら聞けない?】メタボって何が悪いの?―メタボリックシンドロームの真実― – 国立長寿医療研究センター
肥満の受診や治療は、いくらかかる?保険は使える?
健康保険での初診から検査までの診療にかかる費用は「数千円〜(3割負担)」が目安で、保険適用の中心は肥満症および肥満に伴う病気(高血圧・糖尿病・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群など)の診断と治療です。
患者さんが一番不安なのは「結局いくら?」という疑問ですが、ここは誤解が生じやすいところです。
日本の保険診療では、原則として、見た目の体型だけを理由に、投薬や検査を広範に行うことはありません。一方で、肥満に関連する病気の疑いがあれば、健康保険を使って診察を受けられます。
たとえば、血圧が高い、HbA1cが高い、中性脂肪が高い、脂肪肝が疑わしい、いびきと日中の眠気が強い(睡眠時無呼吸の疑い)などがあれば、医学的に「治療が必要な状態」です。

費用は検査項目やその日の実施内容で変わりますが、一般的な内科の初回の評価は3割負担で数千円台に収まることが多いです。
自己流ダイエットの落とし穴と、副作用は?
注意すべき点として「急激に落として、リバウンドして、筋肉と体力が減る可能性がある」ことで、これが血糖・脂質・血圧を悪化させるリスクです。
肥満と言われた直後は、糖質ゼロ、断食、極端な運動などの手段に走りがちです。しかし、短期間で体重が落ちたように見えても、その中身が水分と筋肉なら、基礎代謝が下がり、疲れやすくなり、結果的に太りやすい体になります。
出典:若い女性の「やせ」と健康・栄養問題 – eヘルスネット
さらに、睡眠不足のまま無理に食事を減らすと、食欲をコントロールするホルモンが乱れてしまいます。その結果、我慢の限界が来て一気に食べ過ぎてしまい、「またやってしまった…」と自己嫌悪に陥り、ダイエットが続かなくなります。
また、インターネットなどで「痩せ薬」として紹介されている持続性GLP-1受容体作動薬も注意が必要です。医師の診断なしに使うと、メリットだけではなく、吐き気、便秘、下痢、脱水、低血糖、動悸、睡眠の質の低下など、副作用とデメリットがあることも理解しておきましょう。
出典:WEGOVY (semaglutide ) – FDA
食事・運動・薬・サプリ…結局どれが一番いい?
減量の方法は一つではありません。医師と相談しながら、ご自身の状態や生活スタイルに合わせて、食事・運動などの生活改善と、必要に応じた医学的サポートを組み合わせることが大切です。
肥満対策で一番大切なのは、無理なく続けられる方法を選ぶことです。
食事は「糖質を抜けば大丈夫」ではありません。食べる量全体のバランス、たんぱく質や食物繊維をしっかり摂ること、そして夜遅くにだらだら食べないことが重要です。
運動は体重を減らすより「リバウンドしにくい体を作る」ために役立ちます。筋トレや速歩など、筋肉を保つ運動が効果的です。
薬は万能ではありませんが、医師が必要と判断した場合には心強い味方になります。サプリメントは痩せる主役にはならず、あくまで補助的なものです。
見落とされがちなのが睡眠です。睡眠不足があると食欲が増して疲れやすくなり、体重が減りません。

上記をまとめると、「食事・睡眠・日々の活動」を基本にして、必要な方だけ薬や検査を加えるのが最も効果的な方法です。
どれくらいで改善する?受診の目安は?
結論から言うと、評価は「まず3ヶ月」で、体重のほか、腹囲・血圧・血糖・脂質の数値の改善がみられるなら成功で、逆に3か月やっても変化が現れないなら診察を勧めます。
「何kg痩せればいいですか?」とよく聞かれます。体重の数字のみに目が行きがちですが、血液検査の結果やお腹まわりの脂肪も大切です。内臓脂肪の減少が、将来の病気のリスクを減らす効果があります。
目安としては、セルフケアによって最初の3か月で生活リズムが整い、次の3〜6か月で数値が安定し、1年で「元に戻らない習慣」が身につけることを目指します。

やめどきは2つあります。1つ目は、目標体重に近くなって「維持する段階」に切り替えるタイミングです。体重が減ってきたら、食事制限を強めるのではなく、睡眠、たんぱく質、筋トレを増やして体を維持する力を高めましょう。2つ目は、思ったように痩せないので自己流をやめて医師に相談するタイミングです。
次のような場合は、早めに受診した方が安全で効果的です。
- 血圧・血糖・脂質のうち複数が異常
- 健診で何度も指摘を受けている
- いびきと日中の眠気がある
- 家族に糖尿病や心臓病の方が多い
- 短期間で急に体重が増えた
- お酒を毎日飲む習慣がある
- 以前より疲れやすくなった
今日から何をすればいい? 受診〜改善までの流れ
最初の一歩は「健診結果を持って受診する」こと、そして「やることを3つに絞る」ことです。これで3か月後には結果が見えてきます。
①健診結果を確認する
腹囲・血圧・血糖値・脂質・肝機能のうち、どこに問題があるかを確認します。「肥満と何が悪いのか」がはっきりします。
②目標を「行動」で決める
「○kg痩せる」ではなく、「毎日これをする」という行動目標を決めます。たとえば「22時以降は食べない」「週3回歩く」「たんぱく質を毎食とる」など、自分ができそうなことを3つ選びます。
③定期的に見直す
1〜3か月ごとに検査結果を確認し、続けられているか、数値が改善しているかをチェックします。うまくいっていれば続け、難しければ方法を調整します。

阪野クリニックは、内科専門医として、あなたの肥満治療に寄り添います。一人ひとりの生活スタイルや体の状態に合わせて、無理なく継続できる方法を一緒に考えていきます。「何から始めればいいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。


