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学校を長期に休むときに提出する「休学の診断書」
休学の診断書とは
病気、怪我によって学校を休んで療養に専念する必要性があることを、医師が証明した文書です。病名、症状の経過、治療の内容、休学の期間、療養事項について、記載されています。休学願の書類とともに、医師の診断書を添付することが多いです。
医師の診断書が必要となる場合
- 病気のため、数ヶ月以上、修学することができない
- 感染症のために通学が適切ではない
- こころの病気があるため通学できない
どのくらいの期間を休むときにときに、休学の診断書を提出しなければいけませんか?
自分が通学している中学校、高校、大学の学則に従ってください。2~3ヶ月以上欠席する場合が多いようです。
よくある休学の理由とは?
友人、先輩・後輩、教員との人間関係、進路、成績不振など、思春期の悩みの種類は多いです。
中学生、高校生、大学生において、学校の雰囲気が合わない、勉強の生活に耐えられない、友人との関係がうまくいかないという悩みが多い印象です。
高校あるいは大学に進学したときに、勉強量の多さ、授業のスピードについていけないなど、学業面の問題があります。一方、部活の先輩、特定の科目の先生との相性が合わず、ストレスになっている人もいます。寮生活になじめないという事例も報告されています。
いじめ問題によって不登校になり、こころの病気の治療に専念するために休学する場合もあります。
どのくらいの学生数が、休学していますか?
令和4年に文部科学省が発表したデータによれば、令和3年4月~令和4年3月末までの期間に病気のために休学した学生数(大学と高校)は、65,153人でした。この中で、病気・怪我による休学の割合が7.3%、そして、心身耗弱・疾患による休学の割合が10.7%でした。
出典:学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査【令和3年度末時点】 – 文部科学省
このデータから読み取れることは、統合失調症や双極性障害などのこころの病気による休学が多いことが分かります。病気、怪我などによって休学した学生数と合わせると、全体の18%になり、年間に11,727人と計算されます。
うつ病・適応障害による休学
学校生活に関連した悩みがきっかけとなって、心理的ストレスがかかります。
長い間、繰り返すストレスによって脳の働きが不安定になり、こころの病気が発症します。精神ストレスは自律神経にも影響するので、さまざまな身体症状も現れるようになります。
- 1日中、ずっと気分が落ち込んでいる
- 何事にも興味がなく、楽しめない
- 眠れなくなっている
- 悪夢を見ることが続く
- 朝起きられない
- 食欲が低下している
- 仕事に集中できない
- 動悸、呼吸苦、便秘、下痢が現れる
- 体が重く、疲れやすい
どのような症状があって、精神科、心療内科を受診することが多いですか?
不安、抑うつ、意欲の減退、集中困難です。行動の問題では過食も目立ちます。身体症状として、息苦しさ、頭痛、動悸が多いです。睡眠に関連した症状として、入眠困難、熟睡障害、睡眠リズムの乱れなどが、初診時の主訴として報告されています。
出典: 池田優子 他; 精神科を受診した学生の1年後の転帰に関する研究, 日本医科大学基礎科学紀要;48:7-20,2019
もらい方について
あなたの体調不良となったと考えられる領域に精通している医師の診察を受けることが重要です。
どの医師の診察を受けるべきか分からないときは、地域の内科、小児科の先生に話を聞いてもらいましょう。そして、適切な診療科に紹介してもらうと良いです。
思春期に多い事例として、メンタルが不調によって登校できない場合が少なくありません。早目に精神科あるいは心療内科の医師の診察を受けてください。
医師の診察を受けるときに、「休学をしたいので、診断書を発行してほしい」と伝えてください。
休学の診断書に記載される内容
項目 | 具体的な内容 |
---|---|
病名あるいは病状 | 医師が診察を行い、症状の経過、所見から病名を確定します。うつ病、適応障害、不安障害などの病名が記載される場合、うつ状態、不眠、過眠など症状による表記もあります。 |
治療の経過 | 初診日、診療の経過、どのような症状が出現して日常生活に影響が出ているか、登校することができない理由、現在行っている治療法、通院あるいは入院の必要性について書きます。 |
療養期間 | 病気を療養するために必要と判断された期日を記載します。休学の期間が延長される場合は、療養期間中に追加の診断書を交付します。治療の通院間隔を記載することもあります。 |
学校が指定する書式があれば、外来に持参して医師に書いてもらいましょう。もし、所定の書式がない場合は、クリニックの書式で診断書を書きます。
診断書の作成にかかる日数について
初めて診察を受けた日に休学の診断書が発行される場合がありますが、適切な診断名を確定するのに時間がかかる場合もあります。
こころの病気の病状によっては、数回の通院が必要です。その場合は、1~2週程度、診断書の作成に時間がかかります。
費用について
休学の診断書の作成は、 健康保険の適用はありません。医療機関が自由に価格を設定しています。病院によって、休学用診断書の値段は異なります。 一般的な料金は、2,000円~10,000円くらいです。