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妊婦のインフルエンザワクチン基礎知識
妊娠中のインフルエンザ予防接種
妊娠中は、免疫力が低下しているため、風邪や病気にかかると治りにくく、病状が悪化しやすいことが分かっています。
冬季には、インフルエンザ感染症が流行します。インフルエンザウイルスに感染すると、母体および胎児に悪影響を及ぼします。そのため、早目にワクチン接種を受けて、妊婦はインフルエンザ感染症を予防する必要があります。
妊婦のインフルエンザワクチンは安全か?
日本で使用されているインフルエンザワクチンは病原性をなくした不活化ワクチンです。そのため、理論的に妊婦および胎児に対して問題がないという見解です。
米国では、数十年の間に数多くの妊婦に対してインフルエンザ予防接種を行っていますが、安全性について大きな事故が起こっていないことが報告されています。そのため、妊娠全期間を通じて、妊婦に対するインフルエンザ予防接種が推奨されています。
出典:Influenza Vaccine and Pregnancy – CDC
英国の国民保健サービスも、どの妊娠週数においても安全にインフルエンザワクチンの接種が受けられるという見解を出しています。インフルエンザの流行が始まる前に、予防接種を受けることを勧めています。
出典:The flu jab in pregnancy – NHS
どのくらいの期間に、ワクチンを受けられますか?
毎年9月から翌年1月の間です。
出典:Flu vaccine in pregnancy – Oxford Vaccine Group
通常のインフルエンザワクチンはチメロサールを含んでいますが、大丈夫ですか?
チメロサールの含有量が少ないので、胎児への影響はありません。自閉症の発症との関連も否定されています。
産後もワクチン接種を受けても良いですか?
授乳しているとき、ワクチン接種をしても問題ありません。
ワクチン接種のメリット
母体をインフルエンザ感染症から守る効果があり、感染しても重症化を防ぐことができます。さらに、妊婦が、ワクチンを接種することで母体で獲得された免疫が胎盤を介して胎児に移行し、新生児にも予防効果を発揮します。
チメロサールを含まないワクチンについて
殺菌作用と防腐効果のあるチメロサールが添加されていないインフルエンザワクチンがあります。アレルギー反応が少ないという利点があります。
インフルエンザワクチン接種を希望される妊婦さんへ
妊婦用のチロメサールフリーのワクチンを希望される場合は、早めに来院して下さい。風邪気味のときは、体調が良くなってからワクチン接種を受けましょう。
妊婦は何回、ワクチン接種をすれば良いですか?
1回です。
何科で、予防接種を受けられますか?
産婦人科、内科です。
同居の家族、夫もワクチン接種を受けたほうが良いですか?
家族内感染を防ぐために、早目にワクチンを打ってもらうことを勧めます。
副反応には、どのような症状がありますか?
接種した部位の発赤、腫脹、疼痛ですが、通常、2~3日程度で消失します。
いつ頃から、妊婦はインフルエンザワクチンを受けられますか?
一般的に、妊娠初期から後期まで、ワクチン接種ができます。ただし、妊娠5週から11週までは、器官形成期なので、心配な方は12週以降にしても良いと考えます。
自分が妊娠に気付かず、インフルエンザ予防接種を受けてしまったときは?
基本的に、問題ありません。接種後の妊娠が発覚したら、産婦人科の診察を受けてください。