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新型コロナウイルスの中和抗体を調べる方法
コロナワクチン接種後の抗体検査とは
新型コロナウイルスのワクチンを接種することで、どの程度の抗体が産生されているかを知ることができる検査です。そして、どのくらいの免疫を持っているかを確認することができます。
中和抗体について
通常、新型コロナウイルス感染症に罹患すると、私たちの体内でコロナウイルスのスパイクタンパク質とヌクレオカプシドタンパク質の両方に対するIgG抗体が産生されます。一方、コミナティ筋注、COVID−19ワクチンモデルナ筋注などの予防接種を受けると、Sタンパク質に対するIgG抗体の産生のみ誘導されます。
コロナウイルスの表面にあるスパイクは、私たちの細胞の表面にあるACE2に結合して感染します。、Sタンパク質に対するIgG抗体は、ウイルスの細胞への侵入を妨害するので、中和抗体と呼ばれています。
新型コロナウイルス感染症に対する免疫力の指標として、中和抗体の数値が活用されています。
どんな人が受けているか？
コロナワクチンを接種する目的は、感染予防に役立つ中和抗体を獲得することです。しかし、ワクチン接種を受けても、どのくらいの抗体価が獲得できたかは分かりません。そのため、中和抗体の力価を具体的な数値で知りたいという人が抗体検査を受けています。
ワクチン接種後に必ず必要となる検査ではありません。自由診療として、希望者が検査を受けています。
いつ検査を受けられますか
2回目のワクチン接種を受けてから、1週間経過した頃です。
抗体検査を受けたいときは、夕方5時までに来院して下さい。
方法について
静脈採血（1～2ml程度の血液採取）を実施します。
費用について
検査にかかる料金は、9,900円（税込）です。
検査結果の受け取り方
抗体の数値が記載された検査結果を郵送します。検査結果は3日程度で判明しますが、お手元に結果が届くのに、1週間程度かかります。
あなたの個人情報になりますので、ご本人に返信用封筒に宛名を書いて頂きます。
後日、医師による対面の結果説明を希望されるときは、別途、3,300円がかかります。十分に理解して頂いた上で、検査を受けてください。
数値の解釈について
| 陽性の場合 | 陰性の場合 | |
|---|---|---|
| IgG定量値 | 50AU/ml以上：判定（+） | 50AU/ml未満：判定（-） |
| ワクチン接種あり | 中和抗体があります | 中和抗体がありません |
| ワクチン接種なし | 過去の感染歴があります | 過去の感染歴はありません |
ファイザーが開発した新型コロナワクチン「コミナティ筋注」を2回接種した後に、中和抗体が高いと判定する目安は、4160AU/ml以上です。
中和抗体の変化について、1回目のコロナワクチン接種後の中央値 2,217 AU/ml (95% CI: 0～44,182)、 2回目のコロナワクチン接種後の中央値 18,272 AU/ml (98% CI: 11,724～21,750)と報告されています。
4,160 AU/mL未満の場合でも中和活性が認められないわけではなく、米国FDAが認可したCOVID-19の回復期血漿療法の製剤基準は、840 AU/ml以上となっています。
出典：FDA
注意事項について
PCR検査・抗原検査とは異なります。
2週間以内に発熱、咳、倦怠感などの感染症が疑われる症状がある人は、検査を受けられません。
現時点で新型コロナウイルスに感染しているかを判定する検査ではありません。
よくある質問と回答
検査の名称は何ですか？
新型コロナウイルス抗体IgG定量検査（抗Sタンパク質抗体）です。Abbott社の試薬を用いて測定します。
検査結果が陽性なら、今後、感染の心配はありませんか？
感染や重症化のリスクは低くなりますが、中和抗体を持っていても、抗体価、体調によってウイルスに感染する可能性はあります。そのため、今後も感染の予防を続けてください。
検査結果が陰性のときは、どうすれば良いですか？
2021年8月現在では、国内において新型コロナウイルスワクチンの追加接種は認められていません。引き続き感染の予防に努めてください。
抗体があるという証明書の発行を行っていますか？
検査結果のお渡しのみです。証明書の発行はいたしかねます。
後日、電話で検査結果について詳しく聞きたいときはどうすれば良いですか？
電話、メール、LINEによる検査結果の説明を行っていません。対面での説明を希望されるときは、別途、費用が発生します。