ルネスタとマイスリーの効果の違い

マイスリーとルネスタは何が違うのか？

マイスリーとルネスタは、入眠までの時間を短くする効果があり、両者とも非ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤です。

 

超短時間型に分類される睡眠薬ですが、効果、副作用、薬理作用に違いがあります。今回は、ゾルピデムとエスゾピクロンの相違点について解説します。

 

 

マイスリーとルネスタの違い

	マイスリー	ルネスタ
有効成分	ゾルピデム酒石酸塩	エスゾピクロン
剤形	5mg、10mg	1mg、2mg、3mg
割線入り	5mg、10mg	2mg
効能と効果	不眠症（統合失調症および躁うつ病に伴う不眠症は除外）	不眠症
成人の用量	1回につき 5～10mg	1回につき 2mg
高齢者の用量	1回につき 5mg	1回につき 1mg
最高血中濃度到達時間	0.7～0.9時間	1時間
血中濃度半減期	2時間	5時間
副作用	眠気、頭痛、残眠感、悪夢、めまい、倦怠感、口渇、食欲不振	傾眠、味覚異常（苦味）、頭痛、浮動性、めまい、口渇

 

出典：マイスリー – KEGG
　　　ルネスタ- KEGG

 

マイスリーとルネスタの価格の違い

１．マイスリーの価格

ゾルピデム	薬価
マイスリー錠5mg	27.3円／錠
マイスリー錠10mg	44.9円／錠

 

２．ルネスタの価格

エスゾピクロン	薬価
ルネスタ錠1mg	39.4円／錠
ルネスタ錠2mg	63.0円／錠
ルネスタ錠3mg	77.3円／錠

 

有効成分の量によって、価格は異なります。通常、成人に使用されることが多い剤形は、マイスリー10mg錠とルネスタ2mgです。この二つの睡眠薬の価格を比べると、マイスリーのほうが、ルネスタより安いことが分かります。

 

 

参考までに、ジェネリック医薬品のゾルピデム酒石酸塩錠10mg（14.5円／錠）とエスゾピクロン錠2mg（21.2円／錠）を比較すると、後発品においてもマイスリーのほうが薬価が安いです。

 

マイスリーとルネスタを併用してもよいか？

ルネスタとマイスリーは、超短時間型の睡眠薬に分類されています。そのため、一緒に飲むことはしません。薬理作用を強くしたいときは、担当医と相談した上で、徐々に用量を増やすことを検討します。

 

どちらが早く薬の効果が現れるか？

ルネスタと比較して、マイスリーの最高血中濃度到達時間は短いです。そのため、マイスリーはルネスタよりも、より早く催眠作用が現れます。

 

非ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤の効果について比較した研究では、マイスリーを服用したほうが、主観的に早く寝つくような印象があるという結果が報告されています。

 

出典：Huedo-Medina et al. Effectiveness of non-benzodiazepine hypnotics in treatment of adult insomnia: meta-analysis of data submitted to the Food and Drug Administration. BMJ. 2012 Dec 17;345:e8343.

 

どっちが効き目が長いか？

ルネスタの血中濃度半減期は、マイスリーよりも長いです。マイスリーと比較するとルネスタのほうが作用時間が長く、効き目が長いと言えます。

 

強さの違いとは？

睡眠薬の等価換算表を参考にして、マイスリーとルネスタの力価を比較すると、マイスリー10mgとルネスタ2.5mgが同等の効果があります。

 

出典：向精神薬の等価換算 2017 – 日本精神科評価尺度研究会

 

成人に用いられるマイスリー10mgとルネスタ2mgを比較すると、マイスリーのほうが効果が強いと言えます。

 

使い分けのヒント

薬理作用の違いを考慮すると、マイスリーのほうがルネスタより効き目が早く出ます。一方、ルネスタはマイスリーよりも薬の効果が長く続くという特徴をもっています。

 

不眠症で悩んでいるときに、両者とも入眠困難の解消に役立ちますが、ルネスタはマイスリーより作用時間が長いので、入眠後の早い時間に目が覚めてしまう場合に応用しても良いかもしれません。