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なぜスギ花粉症の薬は効かなくなるのか?
結論から言うと、症状の原因と体の反応が毎年変わっているのに、治療内容が変わっていないないことが最大の理由です。
スギ花粉症では、花粉の飛散量、免疫反応の強さ、鼻や目の粘膜の過敏性、さらに睡眠不足やストレスといった生活要因、環境要因(黄砂、PM2.5)が重なって症状が出ます。これらは毎年同じではありません。そのため「去年と同じ薬」を続けても、今年の体の状態に合わず、効かないと感じるのは自然なことです。
薬が悪いのではなく、今シーズンのスギ花粉によるアレルギーへの療が今の状態に合っていないと考えられます。
出典:山田 武千代; 鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版 鼻炎の分類と重症アレルギー性鼻炎の治療, アレルギー;73:155-159,2024
治療費はいくらかかるのか?【健康保険は使えるのか】
ズバリ、保険診療が基本で、自己負担は初診の場合で約2,000〜4,000円程度です。
スギ花粉症の内服薬・点鼻薬・点眼薬は健康保険の対象です。初診時は診察料と処方料がかかりますが、継続の治療で急に高額になることはありません。「薬を変える=費用が跳ね上がる」というわけではありません。むしろ、市販薬を何種類も試し続ける方が結果的に出費がかさむ可能性もあります。
副作用やデメリットはあるのか?
正直に申し上げると、薬の種類によっては眠気や口渇などの副作用が出るリスクがあります。
特に第一世代の抗ヒスタミン薬では眠気が問題になります。ただし現在は、日中の眠気が出にくい第二世代の抗ヒスタミン薬を利用することができます。

副作用が怖い場合は、仕事や運転の有無、生活リズムを医師に伝えることで回避できます。副作用は「我慢するもの」ではなく、「調整するもの」です。自己判断で服用を急に止めてしまうことが、症状の増悪という別のリスクを生みます。
出典:後藤 穣; 最新のアレルギー性鼻炎治療 ―ガイドライン改訂と抗ヒスタミン薬による治療戦略― , 日耳鼻;124:943-947,2021
市販薬と病院の薬、どちらを選ぶべきか?
もし毎年つらさが続き症状が重いなら、市販薬より病院での治療を勧めます。
ドラッグストアで販売されている市販薬は軽症や一時的な対処には便利ですが、症状の強さや時間帯、生活への影響までは考慮されていません。
医療機関では、作用の異なる薬を組み合わせ、鼻、目、全身症状を総合的に調整します。「鼻水は止まるが眠い」「目だけ効かない」といった不満にも対応できます。重症な花粉症の場合、長引く症状ほど、医師の診察を受けて処方されるオーダーメードの治療を勧めます。
治療を見直すと本当に楽になるのか?
結論から言うと、治療を見直すことでスギ花粉症のアレルギー症状のつらさから解放される方はいます。
スギ花粉症は体質だから仕方ないと思われがちですが、実際には薬の選び方や使い方で症状が大きく変わります。「効かない」と感じたまま放置すると、睡眠の質が低下し、集中力や仕事のパフォーマンスにも影響します。

治療を諦めるのではなく、方法を見直すべきタイミングです。適切な鼻炎薬を選んでいくことで、あなたの生活の質を高めるお手伝いをします。舌下免疫療法と呼ばれるアレルギー反応を起こしにくい体質に変えていく治療方法もあります。
治療の進め方
手短に言うと、最初にすべきことは今の症状と生活への影響を正確に伝えることです。
阪野クリニックでは、鼻や目の症状だけでなく、眠気や日中の活動への影響まで確認します。その上で、現在の治療が合っているかを判断し、必要に応じて花粉症の薬を調整します。お薬手帳も持参してください。症状が落ち着けば通院は月1回程度です。

「毎年同じで仕方ない」と我慢する治療から、「生活の質を維持するための治療」へ切り替えることが目標です。


