- ホーム
- チメロサールを含まないワクチンのメリットとデメリット
チメロサールを含まないワクチンのメリットとデメリット
チメロサールとは
チメロサールとは殺菌・防腐作用のある有機水銀化合物で、エチル水銀チオサリチル酸ナトリウムと呼ばれています。インフルエンザワクチンのバイアルに注射針が刺入されたとき、病原体が混入して汚染されることを防ぐ効果があります。
出典:Thimerosal in Flu Vaccine – CDC
ワクチンに含まれているチメロサールは、体内でどうなりますか?
エチル水銀とチオサリチレートに分解されます。
チメロサールを含んだワクチンでは、どのような影響がありますか?
人によっては、発熱、発疹、掻痒感などの過敏症が起きる場合があります。
チメロサール含有ワクチンの安全性
国内で流通している通常のインフルエンザワクチンに含まれているチメロサールの量は、米国環境保護庁の基準値を満たしており、人にとって有害な影響のリスクがないとされています。
出典:北海道薬剤師会
自閉症との因果関係とは
チメロサールが自閉スペクラム症を発症させる要因になる可能性が指摘された時期がありました。自閉症と水銀中毒でみられる症状が似ていることから生じた疑問のようです。
2004年に、国内の小児科関連の学会が合同で声明を発表し、チメロサールと自閉スペクトラム症の因果関係は見出されていないという結論を出しました。
出典:日本小児神経学会, 日本小児精神神経学会, 日本小児心身医学会; 自閉症における水銀・チメロサールの関与に関する声明, 脳と発達;36:441-442,2004
チメロサールフリーについて
有機水銀系の殺菌・防腐剤が添加されていないワクチンのことを、チメロサールフリーと言います。インフルエンザワクチンでも接種することができます。製品名としてフルービックHAと呼ばれており、シリンジタイプです。
チメロサールフリーのメリットとは何か?
チメロサールを含まないワクチンは、接種部位の痛み、腫れが軽減することやアレルギー反応のリスクが少なくなることです。
アレルギー体質の人、妊娠中の場合は、安心材料の一つになるかもしれません。
デメリットは何か?
通常のワクチンでは、成人なら1つのインフルエンザのバイアルから2名分のワクチンを用意することができます。しかし、チメロサールフリーのワクチンは、1名分のシリンジタイプになっており、病原体に汚染されていない状態が保たれています。その分、生産コストが上がり、通常のインフルエンザワクチンよりも価格が高くなります。
チメロサールフリーの生産数は少なく、流通が少ないという事実があります。さらに、取り扱っている病院が限られています。
チメロサールフリーのワクチンが向いている人は?
- 妊娠している人
- アレルギー体質の人
- 化学物質に過敏に反応する人
通常のタイプのインフルエンザワクチンで、接種部位の発赤、痒みが強く出る場合は、検討しても良いかもしれません。
費用について
チメロサールフリーのインフルエンザ予防接種の値段は、4,400円(税込)です。
チメロサールフリーを希望されている方へ
診療時間内にご来院ください。予約は不要です。
※在庫がなくなり次第、終了します。