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インフルエンザワクチンの接種間隔と注意点
はじめに
インフルエンザは冬季になると多くの人々に影響を与える感染症です。特に高齢者や子ども、免疫力が低下している人々にとっては重大な健康リスクとなります。病状が悪化すると、肺炎に罹患して死亡するケースもあります。
インフルエンザ予防接種は、インフルエンザウイルスから身を守るための効果的な方法の一つです。なぜなら、ワクチン接種によって、免疫力が上がるからです。しかし、1回の接種だけでは十分な免疫を得られない場合があります。
2回目の接種が必要な人がいることを知っていますか?
今回の特集では、2回目のインフルエンザ予防接種の重要性、1回目と2回目の間隔、効果、対象者、いつ打つべきか、副反応など、お問い合わせをいただくことが多い疑問に答えてきます。
子どもと大人のワクチン接種回数
1.子ども
13歳未満の小児では、2回のワクチン接種をします。その間隔は、2~4週間の間隔です。ただし、12歳のときに1回目のワクチンを打って、2回目のときが13歳になっても、2回の接種で問題ありません。6ヶ月以上の乳児、3歳未満の幼児も2回の接種が必要ですが、用量が半分になっています。
13歳以上の場合は、成人と同様に、1回の接種としています。
2. 大人
13歳以上の人は、1回接種が原則となっています。しかし、免疫力が低下している人、基礎疾患がありインフルエンザ感染症の重症化を防ぎたい人は、2回接種を勧めます。特に高齢者で基礎疾患を持っている場合は、かかりつけ医と相談してください。
65歳以上の場合、慢性疾患を持っている人は、毎年のワクチン接種が推奨されています。なぜなら、インフルエンザ合併症のリスクが高いからです。
なぜ2回目のインフルエンザ予防接種が必要なのか
インフルエンザ予防接種の2回目接種が必要な理由は、私たちの体に備わっている免疫系の働きと深く関わっています。
1回目の接種で体内に抗体が作られます。しかし、成長過程にある子ども、免疫系の働きが働きが低下している成人では、1回目のワクチン接種による反応だけでは十分な防御力を得られないことがあるからです。
その場合には、2回接種によって、免疫力を上げてインフルエンザウイルスから体を守る必要があります。
2回目の接種の効果とは
2回目のワクチン接種を行うと二次免疫応答が引き起こされ、より多くの抗体がより速く産生されます。二次免疫応答によって、体内の抗体価が大幅に上昇し「より強力で持続的な免疫力」が獲得されるメリットがあります。これは、ブースター効果と呼ばれています。つまり、予防効果が上がると言って良いでしょう。
免疫系が確立されていない小児、免疫力が低下している高齢者にとって、2回目の接種は大切です。これらのグループはインフルエンザによる合併症や重症化のリスクが高いため、2回目のワクチンを打つことを検討しましょう。
2回目接種の間隔はどのくらい?
1回目のインフルエンザワクチンの接種を受けてから2~4週間の間隔をあけて、2回目を接種すると良いでしょう。二次免疫応答を高めるためには、4週間隔で接種することを推奨します。
1回目のワクチンをいつまでに打つべきですか?
日本では、インフルエンザの流行は例年12月頃から始まり、1月から3月にかけてピークを迎えます。そして、インフルエンザワクチンの効果は、接種後5ヶ月くらい持続します。
流行時期をすべてカバーしておきたいと仮定すると、1回目のワクチン接種を10月中旬から11月上旬に済ませておくこと勧めます。そして、2回目の接種を11月中旬から12月上旬に行いましょう。接種間隔を見据えて、計画を立てる方法が良いと考えます。
2回目の間隔が空きすぎの場合は?
インフルエンザの予防接種の1回目を済ませてから、2回目までの間隔が4週以上、空いてしまうことが起こり得ます。以下は、よくある理由です。
- 体調不良のためワクチンを打てなかった
- 忙しくて病院に行けなかった
- ワクチンの在庫がなかった
何らかの理由で、2回目の予定していた期間を過ぎたとしても、予防接種を受けて頂いて構いません。たしかに、ブースター効果が最も高くなる間隔は、2〜4週間です。しかし、遅れてワクチン接種をしても効果が不十分となるわけではありませんので、ご安心ください。
1回目と2回目のワクチン接種を異なる病院で受けてよいか?
2回目の予防接種を1回目とは違う医療機関で受けても問題ありません。なぜなら、国内に流通しているインフルエンザワクチンは国の検定を受けており、どの製薬メーカーが製造したワクチンでも、同じインフルエンザ株が含まれているからです。
2回目も同じ腕に注射しても良いですか?
原則、1回目のときとは、反対の腕に受けてください。同じ腕に接種する場合は、注射を受けた部位とは異なる場所に受ければ、問題ありません。
出典:インフルエンザワクチンの接種の受け方 – 富士市医師会
2回目接種の副反応について
インフルエンザ予防接種の2回目接種は、1回目と同様に安全性が高いとされています。一部の人には、副反応がみられます。
2回目の接種後に起こりうる一般的な副反応は、1回目とほぼ同じです。一般的な副反応として、接種部位が痛い、腫れる、かゆみがあるという症状があります。これらの症状は通常、軽度で一時的なものです。全身症状として、軽度の発熱、頭痛、倦怠感などがあります。