- ホーム
- 睡眠の問題によって起こる胃の症状
睡眠の問題によって起こる胃の症状
睡眠の不調で胃の症状が出現します
胃は消化管の臓器の一つで、食べたものを貯留したり、消化したりする働きがあります。食べ過ぎ、飲みすぎ、ストレス、加齢の要因などで、その働きが低下します。その結果、胃が痛い、もたれる、胸やけがするなどの症状が現れます。
実は胃の病気の発症には食事の影響だけではなく、睡眠障害も関わっていることがあります。そこで、胃と睡眠について解説いたします。
胃もたれ
夕食をとる時間が遅い方に多いのですが、食事量が多い状態で眠りにつくと、眠ってからも胃は消化活動を続けることになります。夜間帯は食べ物の消化と吸収が不十分になるため、起床時に消化されなかった食べ物が残り、胃もたれの症状が出現します。
一般的には、就寝時間の3時間前までに食事を済ましてください。
睡眠不足はありませんか
睡眠不足が続くと、胃腸の活動を調整している自律神経が不安定になります。胃液の分泌、動きに影響するため、胃の症状が出現します。
胃食道逆流症について
胃の内容物が食道に逆流する病気のことで、逆流性食道炎とも呼ばれています。胃酸が食道粘膜にダメージを与えるため、胸痛の原因にもなります。
- 胸やけがある
- 酸っぱいものが上がってくる
- 食後にムカムカする
- 咳が続く
- 食べ物が喉に詰まった感じがする
眠った状態では、胃の内容物は食道の方向に逆流しやすくなります。夜間帯に胃液が食道粘膜を刺激して消化器症状が出現します。そして、眠りが浅い、途中で目が覚めるという睡眠障害の症状が問題になります。
眠っているときの胃液の逆流を減らすには、枕を少し高くする方法、あるいはベッドの背を少し上げて頭の位置を高くする方法が有効です。
睡眠時無呼吸の影響
睡眠時無呼吸症候群があると、胃食道逆流症を合併することがあります。肥満の影響もありますが、睡眠時無呼吸の場合、胸腔内圧が陰性になるため、胃の内容物が食道の方向に吸い上げられやすくなります。その結果、逆流性食道炎の症状が出現します。
重度の睡眠時無呼吸では、起床時に口まで胃酸が上がって酸っぱいと感じる人もいます。
どんなとき医師に相談すべきか
胃腸の症状があれば、まずは消化器内科が最寄の窓口になります。担当医に相談して、胃腸の検査、投薬の治療を受けることを勧めます。
その上で、睡眠不足があれば、睡眠時間を十分にとることが大切です。不眠、いびき、呼吸が止まる症状があれば、睡眠専門医による評価を受けてください。