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重症スギ花粉症の鼻水・くしゃみ症状の治療方法
東海エリアでは毎年2月頃からスギ花粉の飛散開始
外来で相談を受ける耳鼻科領域の病気の中で、アレルギー性鼻炎があります。
スギ、ヒノキ、カモガヤ花粉が鼻粘膜や目の結膜に付着すると、鼻水、鼻閉、くしゃみ症状、目の痒み、眼球結膜の充血が出現します。
岐阜市や各務原市方面では、鼻や目のアレルギー症状を訴える方々が、2月上旬から増えています。
よくある治療相談
- 病院の薬を飲んでも、鼻水、くしゃみが止まらない
- 重症なので何とかして症状を止めてほしい
- 夜眠れないので、花粉の症状を抑えたい
今回、ひどい症状でお困りの方への治療の考え方と処方を紹介します。
花粉症のシーズンが始まる前にできること
症状の経過や病院でアレルゲンの検査を受けて季節性アレルギー性鼻炎であることが分かっているなら・・・
スギ花粉が飛び始める前から、アレルギーを抑える薬を飲みましょう。初期療法と呼ばれるものです。
飲み薬に加えて、鼻粘膜の炎症を抑えるステロイド点鼻薬を使用することもあります。最寄の耳鼻咽喉科や内科への相談を勧めます。
スギ花粉症の流行期に入ってから行う対策
重症であるときは、鼻粘膜のアレルギー症状を抑える二つのタイプの薬を試します。
・第二世代の抗ヒスタミン薬
・抗ロイコトリエン薬
抗ヒスタミン薬は、くしゃみ、鼻水を止める作用があります。一方、抗ロイコトリエン薬は鼻づまり症状を解消することが得意な薬剤です。
さらに、ステロイド点鼻薬を活用します。
効果が強めの抗ヒスタミン薬とは
よくある質問で、「どの薬がスギ花粉症に対して効き目が強いですか」というものがあります。
個人の印象で異なりますが、外来での処方経験と実際に服用された患者さんの感想をもとに、第二世代の抗ヒスタミン薬を紹介します。
- アレロック
- ザイザル
- ルパフィン
- ビラノア
ただし、アレロックは鼻水、くしゃみ症状の緩和に効果が強いですが、眠気が強い印象です。
別の薬剤として、アレグラの有効成分であるフェキソフェナジン塩酸塩に塩酸プソイドエフェドリンが配合されたディレグラがあります。
他に効き目の強い薬は?
眠気の副作用がありますが、第一世代の抗ヒスタミン薬とステロイドが配合されている処方薬があります。
セレスタミンと呼ばれる薬です。有効成分としてベタメタゾンとd-クロルフェニラミンマレイン酸が含まれています。
※緑内障、前立腺肥大がある方は服用することができません。
ステロイドの内服に抵抗がある場合は、第一世代の抗ヒスタミン薬であるポララミンを利用することができます。
セレスタミンとポララミンを服用すると、強い眠気の副作用があります。そのため、夕食後から就寝前に服用することもあります。
睡眠中に鼻水がズルズル止まらない方は検討の余地があるでしょう。重症の鼻炎の症状があれば、医師に相談してください。
重症のスギ花粉症の症状には漢方薬を活用を
一般的に抗ヒスタミン薬には眠気の副作用が出現することがあります。
第二世代の薬剤を選択することが得策ですが、鼻水、くしゃみ症状がコントロールできない重症の場合があります。
重度の花粉症には、漢方薬の服用を検討しましょう。
病院での漢方処方には様々な種類があります。アレルギー性鼻炎に対する健康保険の適応がある小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は、代表的な処方です。
病状の程度によっては、小青竜湯と五虎湯(ごことう)を併用して、炎症を抑えることも検討します。
持病に心臓病や胃腸障害がある方は、小青竜湯以外の処方を選ぶ必要があります。麻黄を含んでいない漢方を選択することが多いです。
以下、ばんのクリニック院長がスギ花粉症への漢方薬治療について、動画を用いて解説をします。
漢方薬は体質や症状によって処方内容が変わります。最寄りの耳鼻科や内科で病院に相談しましょう。
重症の方への処方は下記動画にありますが、体力が充実している方向けの生薬となっています。
以上、病院を受診する前に参考になれば幸いです。
それでも症状が止まらなくて困っている方へ
アレルギー性鼻炎の症状を抑える注射薬があります。
ノイロトロピン注射と呼ばれるものです。体の負担がほとんどなく、抗ヒスタミン薬および抗ロイコトリエン薬薬との併用もできます。
鼻や目の症状だけでなく、「皮膚の痒み」も問題となるくらい重症の場合は、強力ネオミノファーゲンシーを注射することがあります。
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