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ノイロトロピンの効果と副作用
ノイロトロピン注射とは
ワクシニアウイルスをウサギの皮膚に注射すると、皮膚に炎症が起きます。炎症が生じた皮膚組織から有効成分を抽出して作られた注射液です。
作用機序について
ノイロトロピンの有効成分は、鼻の粘膜にあるアセチルコリン受容体を減らします。さらに、好酸球の浸潤を抑えることができます。これらの働きによって、花粉が引き起こすアレルギー反応を抑えます。
花粉症に対する効果について
ノイロトロピン注射は、鼻水、鼻づまり、くしゃみなど、皮膚の痒みなどの症状を改善します。基本的にアレルギーを抑制する効果があります。
出典:古市暢夫 他; 鼻アレルギーに対する Neurotropin の治療効果 二重盲検法による検討, 耳鼻咽喉科臨床;70(2):135-145,1977
花粉症以外にどんな作用がありますか?
腰痛症、頸肩腕症候群による痛み、神経痛、掻痒感などを軽減する効果があります。
出典:ノイロトロピン注射液3.6単位 – 医薬品インタビューフォーム
メリットについて
花粉症に用いられる抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬と併用することができます。鼻のアレルギー症状を抑えるほか、皮膚の掻痒感にも効果があります。さらに、薬剤の依存性はありません。
デメリットについて
アレルギー性鼻炎に対する保険適用は、ノイロトロピン注射液に対してのみ認められています。ノイロトロピン錠剤は保険適用がありません。
外来で、ノイロトロピン注射を受けている人の傾向をみると、効果について個人差があることです。注射のみで鼻の調子が良くなったという人もいれば、抗アレルギー薬の併用が必要な人もいます。
従来からある花粉症治療に加えて、スギ、ヒノキ花粉の飛散が多く、症状がひどいときに補助的に用いることが良い印象です。秋の季節性アレルギー性鼻炎の一つ、ブタクサ花粉症に対しても用いることがあります。
副作用について
発疹、掻痒感、眠気、ほてりが報告されています。
注射の方法について
3.6単位を静脈内、筋肉内あるいは皮下に注射します。
注)当院では静脈注射のみ行っています。
どのくらいの間隔で注射を打つことができますか?
週に1~2回です。花粉症の病状が重いときに注射します。
妊娠中、授乳中の場合、ノイロトロピン注射を受けることはできますか?
妊婦あるいは授乳婦において安全性が確立されていないので、原則として注射を行いません。