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チャンピックスによる禁煙治療の成功率は?
はじめに:禁煙を始めたい方へ
喫煙は多くの生活習慣病やがんのリスクを高める要因として知られ、タバコを吸える場所も少なくなっていることから、禁煙の重要性は年々高まっています。健康意識の向上、医療費削減の観点からも、喫煙の習慣を止めることを支援する「禁煙外来」が注目されています。
タバコの販売価格が上昇していることから、今年こそタバコを止めたいと思う人もいるかもしれません。

特に、自力での禁煙に繰り返し失敗してきた人々にとって、医療のサポートを受けながらニコチン依存症の治療に取り組める選択肢は大きな魅力です。
このページでは、禁煙外来の内容、成功率、効果的な活用法について、解説していきます。
禁煙外来とは?
禁煙外来とは、医療機関で専門的なサポートを受けながら卒煙を目指すための外来です。初回の診察では喫煙状況やニコチン依存度を確認し、医師がニコチン依存症の診断を行います。
医師が看護師と協力して禁煙補助薬の処方(バレニクリン、ニコチンパッチ)やカウンセリングを行い、約12週間にわたって治療プログラムがあります。
定期的な診察により「禁煙がうまくいっているか」を確認し、治療に対する不安を和らげ、離脱症状への対応を行います。自己流での禁煙と違い、科学的根拠に基づいた治療法を受けられるのが特徴です。
健康保険を使って治療を受けるための要件
禁煙外来は一定の条件を満たせば健康保険が適用され、自己負担を抑えて治療を受けられます。
- 直ちに禁煙する意志がある
- ブリンクマン指数が200以上
- ニコチン依存度テストで5点以上
ブリンクマン指数とは、「一日あたりの平均喫煙本数」と「喫煙した年数」を掛け算して求められます。ただし、35歳未満の場合は、ブリンクマン指数の条件は不要です。
禁煙外来の成功率は実際どのくらい?
医療機関の禁煙外来を受診し、バレニクリンやニコチンパッチなどの治療を受けた場合、短期的には約7割の患者が禁煙に成功したと報告されています。
日本国内で実施された追跡調査によると、治療終了時点での禁煙成功率は71.8%に達していました。

ただし、禁煙に成功した人のうち、1年後も禁煙を続けていた人は約61%、2年後は54%、3年後でも約51%と半数以上が継続できていました。通院回数や仕事の有無は継続率に影響せず、男性は早めに再喫煙しやすい傾向がみられました。
出典:東浦勝浩 他; 禁煙外来の初期治療成績と長期的な禁煙継続, 日本プライマリ・ケア連合学会誌;42(4):198-204,2019
別のチャンピックスが処方された研究調査では、治療を始めて12週間後の禁煙成功率は全体で72.2%であり、特に男性では76.0%、女性では61.9%でした。治療から約1年後(48週間時点)でも禁煙を続けていた人は全体の約半数(49.7%)で、男性は51.7%、女性は44.9%でした。
出典:岡﨑伸治 他; バレニクリンを用いた禁煙治療効果の検討―禁煙成功率と性別,年齢との関連, 日呼吸誌;2(4):327-331,2013
チャンピックスの役割と効果
チャンピックス(有効成分:バレニクリン)は、禁煙外来で広く使われる飲み薬の禁煙補助薬です。脳内のニコチン受容体に部分的に結合し、タバコを吸ったときの「快楽(ドーパミン放出)」を減らし、離脱症状や強い「たばこを吸いたい」という欲求を和らげます。

臨床試験において、標準的な12週間の治療では、1mgを1日2回服用された方のうち、治療後4週間(9~12週)の禁煙を維持できた割合が約65%でした。ただし、吐き気、不眠、夢が増えるなどの副作用が報告されており、特に自動車運転など注意が必要です。
まとめ
医療施設によって成功率に関するデータにはばらつきがあり、概ね短期的には60~70%、そして、長期的には40~50%くらいが目安になるかもしれません。治療をきちんと最後まで受け、医療従事者によるサポートを受けることが、治療の成功率および継続性において重要です。
その一方、禁煙が継続するためには、「直ちにタバコを止めたい」という意志や環境整備、周囲のサポートも大切です。医師や医療用医薬品の力を借りつつ、自分自身の覚悟と工夫で卒煙を目指すのが、賢い活用法といえます。


