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高校生は禁煙外来で治療を受けられるか?
はじめに:高校生でも禁煙の治療を受けられるか?
喫煙は大人だけでなく、高校生にも健康被害をもたらす深刻な問題です。特に高校生は、社会的には成人に近づきつつある一方で、医療現場では未成年として扱われることもあり、禁煙治療を受けられるかどうかが不安な人も多いのが実情です。
中でも注目されるのが、禁煙補助薬「チャンピックス(バレニクリン)」の使用可否です。タバコを止められる助けになる効果がある一方で、未成年でも処方されるのか、副作用は大丈夫か、親の同意は必要かなど、疑問点を抱えている人が少なくありません。
このページでは、高校生が禁煙外来を利用できる条件や、チャンピックス処方、費用、保険適用について解説します。
禁煙外来:保険適用の条件とは?
禁煙外来は「喫煙者がタバコをやめるために医師のサポートを受けられる外来」であり、内科、呼吸器内科、精神科などで設置されています。基本的に成人を対象とするイメージがあります。

2016年4月から、高校生でも一定の条件を満たせば健康保険の対象となり、禁煙補助薬を使用した治療を受けられます。
出典:日本医師会
35歳未満であれば、タバコを吸っている本数や喫煙している期間にかかわらず治療を受けることができます。なぜなら、禁煙による将来の大きな病気の発症を防ぐことができるからです。
具体的に、健康保険制度によって禁煙治療を受けられる基準をお伝えします。
- 直ちに禁煙を始めたい意思がある
- ニコチン依存症と診断されている
- 家族などの親権者の同意がある
上記に加え、禁煙治療を受けるには、医療機関で十分な説明を受けたうえで、治療に同意する文書に署名することが必要です。
チャンピックスの処方について
1. 禁煙補助薬の効果と仕組み
チャンピックス(一般名:バレニクリン)は、ニコチン依存症を治療するための飲み薬です。ファイザー社によって開発され、2008年から日本国において、厚生労働省によって処方が承認されています。

この薬の特徴は、「ニコチンを含まずに脳のニコチン受容体に作用する」という仕組みにあります。そして、次のような働きによって禁煙を助けます。
- タバコを吸いたいという欲求を抑える
- 喫煙しても満足感を感じにくくする
2. 18歳でも処方してもらえるのか?
年齢については、チャンピックス処方が成人に対して処方ができます。国内では小児を対象とした臨床試験は実施されておらず、安全面を考慮すると、18歳以上の若年者が対象とります。つまり、医師の判断により18歳になった高校生ならばチャンピックスを処方することは可能とされています。
外来における禁煙治療のスケジュールは、一般成人と同様です。
3. 加熱式たばこでも診察を受けられるか?
令和2年から、加熱式たばこ(アイコス、プルーム、グローなど)利用しているニコチン依存症の人も対象となっています。
費用について
禁煙治療を保険で受ける場合(3割負担)、12週間の治療でかかる費用は、約13,000〜20,000円です。
ただし、お住まいの地域によっては、「子どもの医療費助成」があり、高校生でも対象になることがあります。この制度を使えば、治療費が無料になることもあります。
詳しくは、お住まいの市区町村の「子ども医療費助成制度」が高校生に適用されるかどうか、事前に確認してください。

岐阜県では、岐阜市、各務原市、可児市、多治見市、岐南町において、2025年4月から高校生世代まで医療費の助成が行われるようになっています。
受診の方法
当院の禁煙外来は、「予約なし」でも受診できます。ただし、土曜日は混雑するので待ち時間が発生することをご了承ください。初診では喫煙状況の確認や治療方法の説明を受けられます。約1時間を見込んでいます。


