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インフルエンザの受診【どの病院を選べばいいか】
はじめに:インフルエンザの疑いがあるとき

毎年12月くらいになるとインフルエンザが流行する季節に入ります。突然、仕事中に高熱が出たり、体がしんどくなったり、体調不良になると 「これは、風邪ではなくインフルエンザかも?」と不安になる人がいます。
そんなとき、多くの人が直面するのが 「何科を受診すべきか?」と迷ってしまいます。国内の医療機関には、さまざまな診療科が標榜されており、内科、小児科、耳鼻科など複数の選択肢があります。そのため、慣れない医療用語であるので、一般の方では、判断が難しくなるのも無理はありません。
インフルエンザは風邪に似た症状で始まることもあり、初期段階では自己判断が難しく、新型コロナ感染症の鑑別も必要です。そのため、医療機関で診察と検査を受けて体調不良の原因を明らかにして、適切な治療を受けることが望まれます。
このブログ記事では、インフルエンザが疑われる症状があるときに「どの診療科を受診すべきか?」を中心に、年齢別やケース別の受診先の選び方、夜間・休日対応まで、すぐに使える判断基準を解説していきます。
何科が適切であるのか?

インフルエンザが疑われる症状が現れて医師の受けようと思ったら、基本的には「内科」を受診するのが適切です。 特に成人や高校生以上の年代においては、近くにある一般内科や総合内科に相談することが確実です。
内科では、インフルエンザの診断、検査、治療に対応しています。通常、インフルエンザ抗原の迅速検査が行われ、陽性あるいは陰性の判定、そして、陽性ならA型あるいはB型の鑑別ができます。そして、診断が確定すれば、インフルエンザの治療薬の処方が行われることが多いです。
2020年から新型コロナの蔓延がありました。同時期から、「発熱外来」というホームページに掲げて、風邪、新型コロナ、インフルエンザ感染症などによる発熱を主訴とする患者を診察しているクリニックがあります。
耳・鼻・のどに強い症状がある場合や、かかりつけの耳鼻科がある場合には耳鼻科も選択肢の一つになります。なぜなら、耳鼻咽喉科は、鼻づまり、のどの痛み、中耳炎などの上気道の問題への対処が得意な診療科であるからです。
インフルエンザによる症状は全身症状が重いことが特徴ですが、個人差があり、初期段階で「のどの激痛」「鼻水が止まらない」「耳が痛い」という局所症状が強い場合もあります。このような症状が目立つ場合には、耳鼻科が良いでしょう。
子どもの場合は何科が良いか

子どもが高熱を出して、保護者が「インフルエンザかもしれない」と判断して病院に連れていくとき、「小児科か内科、どちらを受診すべきか」悩むことがあります。
小学校までなら小児科が対応すると分かりますが、思春期の子どもは年齢的に「小児科と内科のはざま」に位置しており、どっちが適切であるか思案することが少なくありません。
原則として知っておきたいポイントとして、小児科は15歳(中学卒業程度)までの子どもを対象とする診療科であることです。そして、高校生になったらインフルエンザのような症状なら内科で十分対応できると考えて良いです。
もちろん、医療機関によっては「中学生なら診ます」としているところもあります。したがって、明確な年齢基準は医療施設ごとに異なるため、受診前に確認をすることを勧めます。
乳幼児や小学生については、小児科の受診が基本です。
高齢者の場合は何科を受診すべきか?

高齢の方がインフルエンザのような症状を感じたときは、若い人以上に病院の選び方が大切になります。高齢者の場合、基本的には内科を受診すれば大丈夫です。基本的には、かかりつけ医が対応します。
年を重ねると、免疫力が落ちやすく、インフルエンザにかかると重くなりやすい傾向があります。咳や息苦しさ、発熱といった症状が重くなりやすく、肺炎を併発するリスクが高くなります。高血圧や糖尿病、心臓・肺・腎臓の持病がある方は、インフルエンザがきっかけで病状が悪化することもあります。
出典:Flu and Older Adults – National Institute on Aging
発熱のほか、ひどい咳、痰が多い症状があり、呼吸困難を伴うケースは、インフルエンザそのものだけでなく、インフルエンザ肺炎を併発している可能性があります。つまり、インフルエンザ受診を急いだほうが良いタイミングです。その場合は、肺や呼吸の症状に詳しい呼吸器内科での受診が安心です。
妊婦の場合は何科を選べばよいか?
妊娠中にインフルエンザのような症状が出たとき、「どの病院へ行けばいいの?」と不安になる方は少なくありません。妊婦さんは免疫力が低下しやすく、インフルエンザにかかると重症化するリスクもあるため、慎重な判断が必要です。
まず大切なのは、自己判断せずに、かかりつけの産婦人科に電話で相談することです。妊娠週数や持病の有無によっては、治療薬の選択や受診先が変わることがあるので、先に産婦人科専門医に判断を仰ぐのが安心です。
その上で、感染症の検査や治療が必要と判断された場合は、内科や発熱外来への受診を指示されることが多いです。内科において迅速検査や抗インフルエンザ薬の処方が可能ですが、妊娠中であることは必ず医師に伝えてください。
インフルエンザ予防薬は何科で相談できる?
家族がインフルエンザにかかったとき、自分に症状がなくても、感染予防のために抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ、イナビル)を処方してもらえることがあります。このような予防投与は、内科やかかりつけ医で相談できます。
まとめ
インフルエンザが疑われる場合、成人であれば、最初に「内科(総合内科、一般内科、発熱外来)」の受診が基本です。症状がはっきりしなくても内科なら幅広く対応でき、他の病気との違いも判断してもらえます。迷ったときは、まず内科を選ぶのが安心です。
一方、原則として中学生以下であれば小児科の受診が目安になりますが、思春期の子どもでは内科との境界にあたる場合もあります。受診を考えている医療機関に事前に、対応できるかについて問い合わせることを勧めます。