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食品アレルギーの症状と対策について
食物アレルギーとは
特定の食品の中に含まれているアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)に、私たちの免疫系が過剰に反応することで、さまざまな症状を引き起こすものです。
アレルゲンが体内に入ると、免疫細胞が働き、IgG抗体が作られます。そして、このIgG抗体が、目、鼻、消化管、気管支の粘膜、皮膚に存在するマスト細胞と結合します。その後、体内に入ったアレルゲンと結合すると、マスト細胞から、ヒスタミン、ロイコトリエンと呼ばれる物質が放出されます。
化学伝達物質であるヒスタミンやロイコトリエンは、炎症を引き起こし、鼻水、鼻づまり、目が腫れる、発疹、呼吸困難、吐き気などのアレルギー症状が出現します。
なぜ食品アレルギーは増えているのですか?
衛生状態の向上、皮膚バリアー機能の低下、腸内細菌の変化、大気汚染、室内ペット飼育の増加などの要因が考えられています。
原因について
卵、牛乳、小麦は、3大アレルゲンとも呼ばれていますが、他にも、肉類、甲殻類、果物、穀類など、さまざまな食品が、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。
種類 | 品目 |
---|---|
卵 | 卵白、卵黄、オボムコイド |
乳製品 | 牛乳、チーズ |
肉類 | 豚肉、鶏肉、牛肉 |
魚介類 | エビ、カニ、サケ、マグロ、ホタテ、いくら、たらこ、サバ、イワシ、イカ、タコ |
穀類 | 小麦、グルテン、トウモロコシ、コメ、そば |
豆類 | 大豆、アーモンド、カシューナッツ、カカオ、クルミ |
果物 | リンゴ、キウイ、マンゴ、アボカド、スイカ、メロン、オレンジ |
野菜 | トマト、ニンジン、ヤマイモ、ホウレンソウ、タマネギ |
その他 | ゴマ、ビール酵母 |
食物アレルギーのタイプについて
食物アレルギーには、いくつかの種類があります。今回は、即時型と呼ばれるタイプ中心に、食物依存性運動誘発アナフィラキシー、口腔アレルギー症候群を概説します。
種類 | 特徴 |
---|---|
即時型アレルギー | 原因となる食品を摂取した直後から2時間以内に症状が出現する。重症例は、アナフィラキシーショックを起こす。 |
食物依存性運動誘発アナフィラキシー | 食後2時間以内に運動したときに、重篤なアレルギー症状が出る。中学生から青年期に多くみられる。 |
口腔アレルギー症候群 | 生のフルーツ、野菜を食べると口の中、唇の周辺にが痒い症状が出る。花粉症の人に合併しやすい。 |
即時型食物アレルギーの症状
皮膚、臓器にアレルギー反応が生じて、さまざまな症状が出現しますが。最も多いものは、皮膚のかゆみ、発赤、じんましん、発疹です。
目が痒い、咳、息苦しいなどの呼吸器症状、そして、吐き気、腹痛などの消化器症状を自覚する人もいます。
一般的に、ほとんどの症例で食品を摂取して15分~30
種類 | 症状の特徴 |
---|---|
皮膚・粘膜 | 湿疹、じんましん、痒い、口腔内・唇の腫れ、喉の痒み・イガイガ感 |
呼吸器 | 咳、鼻づまり、鼻水、喘鳴、息苦しい |
消化器 | 吐き気、嘔吐、気持ち悪い、下痢、血便 |
全身 | アナフィラキシーショック、意識の低下 |
検査と診断について
まずは、毎日の食生活について、調査することから始まります。食べたときの症状と症状が出現するまでの時間を記録しましょう。その後、アレルゲンとして疑っている食物に対する、IgE抗体を血液検査で調べます。皮膚テスト(プリックテスト)を行うこともあります。
最終的に、確定診断をするためには、食物経口負荷試験が必要になります。通常、大学病院で行うことが多いです。
何科の病院で相談すれば良いですか?
内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科の医師の診察を受けましょう。病院の中には、アレルギー科を標榜しているところもあります。
食物アレルギーを予防するためには
アレルゲンを特定できたら、その食品を除去する方向ですが、摂取しても症状が出ない量まで食べても良いという必要最小限の除去を行います。
定期的に、医師と栄養士の指導の下、定期的に血液検査、皮膚テスト、食物経口負荷試験を施行して、どの程度食品に対して耐性ができているかを評価します。
症状が出た時の治療法
万が一、アレルギーの原因となる食品を摂取したとき。アレルギー症状を抑える作用のある抗ヒスタミン薬、そして、食品を食べてから遅れて出現する症状を予防するために、経口ステロイド薬を内服します。
アナフィラキシーの症状が出現したときは、躊躇することなくアドレナリン自己注射液(エピペン)を使用することが大切です。