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花粉症の治療は早めに始めるべきですか?
結論から言うと、花粉症の治療は症状が出る2週間前から始めるべきです。
これは初期療法と呼ばれる方法で、花粉が飛び始める前から抗アレルギー薬を服用することで、症状のピーク時の不快感を軽減できます。

岐阜県では例年2月中旬からスギ花粉が飛び始めるため、遅くとも1月末から2月初旬には治療を始めることをお勧めします。
早めの治療により、くしゃみ・鼻水・目のかゆみといった症状が軽くなるだけでなく、鼻炎薬の量も減らせる可能性があります。
出典:日本医師会
花粉症の初期療法とは?
初期療法とは、花粉飛散開始の約2週間前から抗アレルギー薬の服用を始める治療法です。
症状が出てから薬を飲み始めるのではなく、予防的に薬を使うことで、アレルギー反応を起こす化学物質(ヒスタミンなど)の放出を事前に抑える効果があります。
早期の服薬によって、症状が出たときの「つらさ」が軽くなり、日常生活への影響を抑えられます。特に毎年重症化する方や、仕事や受験などで絶対に症状を抑えたい方には有用な方法です。

花粉症の初期治療に飲む薬は?
第2世代抗ヒスタミン薬が初期療法の中心となります。
アレグラ、デザレックス、クラリチン、ビラノアなどの第二世代の抗ヒスタミン薬は、眠気が少なく日中の活動に支障をきたしにくいため、初期療法に適しています。
これらの薬は花粉が体内に入ったときのアレルギー反応を抑える働きがあり、継続的に服用することで効果が発現します。症状の程度によっては、点鼻薬や点眼薬を併用する方法があります。

花粉症の初期療法にかかる費用はいくらですか?
初期療法の費用は3割負担で約2,000円〜3,000円です。
これは診察料と薬代を含めた金額で、使用する薬の種類と処方日数によって変動します。例えば、ジェネリック医薬品を選ぶと月額2,000円前後、先発品を使用する場合は3,000円程度になります。
初期療法のデメリットと注意点
正直に申し上げると、初期療法には「症状がないのに薬を飲む」という心理的ハードルがあります。
まだスギ花粉が飛んでいなくて症状も出ていない時期に薬を飲み始めるため、「本当に必要なのか」「薬代がもったいない」と感じる方もいらっしゃいます。しかし、これはワクチンの予防接種と同じ考え方で、鼻炎の症状が出る前に対策することで、花粉症の流行期のつらさを軽くすることができます。
また、抗ヒスタミン薬の副作用として、眠気や口の渇き、倦怠感が出ることがあります。ただし、一部の第2世代抗ヒスタミン薬は第1世代と比べて眠気の副作用が大きくなく、日中の仕事や運転にもほとんど支障をきたしません。
当院では、患者さんのライフスタイルに合わせて最も副作用の少ない薬を選択しています。例えば、運転が多い方には眠気が出にくいビラノアやデザレックスを提案し、適宜、点鼻薬、漢方薬を追加しながら、個別に調整しています。
もう一つの注意点は、薬の飲み忘れです。症状がない時期は薬を飲むことを忘れやすく、継続が難しいと感じる方もいます。当院では初診時に、飲み忘れを防ぐコツもお伝えしています。
初期療法と症状が出てからの治療、どちらが良い?
もし毎年花粉症でつらい経験があるなら、初期療法が正解です。
初期療法と症状が出てからの治療を比較すると、効果の現れ方と症状が軽減される程度に差があります。症状が出てから薬を飲み始めた場合、効果が出るまでに数日かかり、その間はつらい症状に耐えなければなりません。さらに、すでにアレルギー反応が強く起きている状態では、薬の効果が限定的になります。
一方、初期療法では症状が出る前から薬が体内で働いているため、花粉飛散のピーク時でも症状が軽くなります。

出典:榎本雅夫; 花粉症の初期治療について, アレルギー;52(11):1048-1052,2003
いつまで薬を続けるべきか?
薬は花粉飛散が終わる5月中旬まで継続することをお勧めします。
岐阜県では、スギ花粉は4月中旬まで、そして、ヒノキ花粉が5月中旬まで飛散します。症状が軽くなったからといって途中で薬をやめてしまうと、再び症状が悪化する可能性があります。
ヒノキ花粉にも反応する方は、ゴールデンウィーク頃に症状がぶり返すことが多いため、油断せず服薬を続けることを勧めます。
薬を中止する適切なタイミングについては、再診時に患者さんの症状を見ながら個別にアドバイスしています。
初期療法の始め方と治療の流れ
最初のステップは、1月中に医療機関を受診することです。
岐阜県では例年2月中旬からスギ花粉が飛び始めるため、遅くとも1月末までに最初の診察を受けることをお勧めします。当院では、初診時に問診で過去の花粉症の症状や使用していた薬について聞き取り、必要に応じて鼻汁好酸球検査およびアレルギー検査を行います。その上で、患者さんの希望を反映しながら薬を処方します。

治療の具体的な流れは次の通りです。まず、初診時に約2週間分の薬を処方します。この期間で副作用の有無や効果を確認し、問題がなければ次回からは1ヶ月分ずつ処方していきます。再診は月に1回程度で、症状の変化に応じて薬の種類や量を調整します。スギ花粉の飛散量が最も多い3月には症状が強くなることもあるため、点鼻薬や点眼薬を追加することもあります。


