- ホーム
- 血液型を調べたい人が知っておきたいこと
血液型を調べたい人が知っておきたいこと
血液型とは何か?
血液型とは、人の血液が特有の性質を持つことに基づき分類されるものです。主に、赤血球の表面に存在する抗原と、血漿成分に含まれている抗体の組み合わせによって、A型、B型、O型、AB型の4つに大別されます。さらに、別の抗原による分類もあり、Rh血液型がよく用いられます。
一般的には、ABOとRhの2つの血液型の組み合わせで表記されることが多いです。
血液型の知識は、主として、外科手術、緊急時の輸血や臓器移植の際に非常に大切です。なぜかと言うと、適切な血液型でないと、身体が拒絶反応を起こしてしまう危険があるからです。血液型は遺伝によって決まり、両親の血液型の組み合わせから予測することもできます。
いつ血液型検査を受けることがあるか?
状況と目的 | 特徴 |
---|---|
手術前の検査 | 出血が想定される手術を控える人は、予め輸血用の血液を準備しておく必要な場合があります。その際には、正確な血液型を知るための検査が必須となります。 |
妊娠・出産 | 妊婦の血液型と赤ちゃんの可能性のある血液型との相性を確認するためです。Rh因子の不適合による問題を防ぎます。さらに、母体の急変、緊急手術に対応します。 |
健康診断 | 通常の健康診断には、血液型検査の項目はありません。しかし、採用選考のときに、職務上、必要であると判断された場合に、血液型の確認が含まれる場合があります。 |
献血するとき | 献血を行う際には、必ず血液型の検査が実施されます。これは、輸血を待っている人のために、適切な血液を提供するための大切な手順となります。 |
通常の生活で血液型検査はなぜしないのですか?
一般的に、私たちの通常の健康状態のチェックやよくある病気の診断のために、血液型の情報は不要です。
例えば、かぜ、生活習慣病(高血圧、糖尿病、痛風など)胃腸の病気など、体調不良の原因の診断と治療のために、血液型の情報は必要がありません。なぜなら、病状と血液型が関係しないからです。
さらに、全ての人に対して健康保険証を利用して血液型検査を行うと、不必要なコストや検査の時間がかかり、適切な医療を提供できなくなるからです。
大人の場合、血液型検査はどこでできる?
場所 | 特徴 |
---|---|
病院やクリニック | ほとんどの病院やクリニックで、通常の血液検査の一つとして、血液型を確認することができます。看護師が採血して、院内あるいは院外(検査会社に外注)において、判定します。 |
献血ルーム | 献血をするときは、必ず血液型を採血で調べます。全血の場合はヘモグロビン、成分献血の場合は血小板の数値も同時に測定します。その場で、自分の血液型が分かります。 |
ネット通販において、簡略的な血液型検査キットが販売しています。自分で指先からの微量の血液を採取して、測定する方式です。このキットを利用すれば、自宅で検査を行うことができます。
方法について
1.医療機関で受ける血液型検査
医療従事者による検査であるため、結果の精度が高いです。血液の採取について衛生面の心配がなく、穿刺による感染のリスクが少ないというメリットがあります。通常は、静脈採血(2mlの血液採取)を実施します。希望があれば、血液検査の項目と同時に行うことができます。
デメリットとして、病院に出向く必要があり、市販キットよりも費用が高いことがあげられます。自由診療になるので、2000~5000円くらいが相場です。
2.市販キットによる血液型検査
手軽さを優先したいときには、通販でも購入することができる検査キットがあります。自宅で検査ができるというメリットがあります。さらに、病院の検査より安いことが特徴です。コストの目安は、2000~3000円程度です。
一方、検査キットの測定方法が正しくないと、正確な結果が得られないことがあります。自分で血液を採取したときに衛生管理が不十分であると、感染のリスクがあります。
費用について
当院では、自分の血液型検査を知りたい人のために、採血による測定を行っています。
検査にかかる料金は、4,400円(税込)です。
検査結果の受け取り方
血液型(ABO式、Rh式)が記載された検査結果を郵送します。検査結果は3日程度で分かりますが、郵便の事情によって、お手元に届くのに1週間程度かかることがあります。
あなたの個人情報になりますので、ご本人に返信用封筒に宛名を明記して頂きます。
血液型の結果について、後日、医師による対面の説明を希望されるときは、別途、3,300円がかかります。十分に理解して頂いた上で、検査を受けてください。電話、FAX、電子メール、LINEによる検査結果の説明を行っていません。
よくある質問と回答
日常生活の中で、血液型検査は必要ですか?
輸血が必要な状況以外は、一般的には血液型の情報は必要ありません。ゆえに、輸血を伴わない血液型検査について、健康保険の適用がありません。
仕事をする上で、どんな状況のとき、血液型の情報が必要になりますか?
船員の健康検査(船員手帳)、JICAの健康診断書には、血液型の記載が必要です。
なぜ、輸血をするときに血液型の情報が必要なのですか?
血液型が合わない血液を輸血すると、輸血された人の体は、合わない血液を異物として認識し、免疫システムが攻撃します。急性溶血性副作用と呼ばれており、輸血後すぐに発生する可能性があります。
どうしても無料で血液型を調べたいときは、どうすれば良いですか?
16歳以上であれば献血が可能となり、その際に血液型を無料で知ることができます。
出典:「献血」は命をつなぐボランティア あなたもご協力を! – 政府広報オンライン
医療の目的以外に血液型を知りたいという人が、検査を受ける動機として、何がありますか?
科学的な根拠はありませんが、血液型を対人関係や性格診断の参考にしたり、自分の交際相手との関係の参考情報としたり、興味や好奇心で知りたい人がいるようです。自分のアイデンティティの一部として把握しておきたくて検査を受ける場合があります。その他、結婚前のチェック、親子の血液型の照らし合わせに関心がある人もいます。