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抗インフルエンザ薬ゾフルーザについて
ゾフルーザとは
冬場になり、気温が低く乾燥してくると、インフルエンザ感染症が流行します。シーズン中は、インフルエンザにかかったら、病院で薬を処方してもらい、治療するケースが増えます。
治療薬として、タミフルという名称を聞いたことがある人が多いですが、ゾフルーザと呼ばれる新薬が、保険適応で使えることになりました。
病院で診察を受けるときに、ゾフルーザの効果、副作用、今までとの薬との違い、耐性、注意点について、内科専門医が解説いたします。
保険適応について
A型あるいはB型インフルエンザウイルス感染症に対して、治療する目的として、健康保険の適応があります。病院、クリニックにおいて、医師による診察を受けて、処方してもらう薬です。有効成分は、バロキサビル マルボキシルです。
ゾフルーザの予防投与はできますか?
2020年11月から、インフルエンザ感染症を予防する目的で処方ができます。
剤形について
錠剤として、ゾフルーザ錠10mgと20mgがあります。そして、顆粒(粉薬のタイプ)として、ゾフルーザ顆粒2%分包があります。後者は、小児で処方されるケースが多いです。粉薬タイプである顆粒1包は、10mgの分量となってます。
用法は年齢と体重によって変わります
通常、単回で服用します。子どもと大人について、一般的な用法を示します。
1.成人と小児(12歳以上)
体重 | 用量 |
---|---|
80kg未満 | 40mg(20mg錠2錠または顆粒4包) |
80kg以上 | 80mg(20mg錠4錠または顆粒8包) |
2.小児(12歳未満)
体重 | 用量 |
---|---|
10kg以上20kg未満 | 10mg |
20kg以上40kg未満 | 20mg |
40kg以上 | 40mg |
ゾフルーザの効果とは
私たちの体内の細胞に感染したインフルエンザウイルスが増えるのを抑える効果があります。作用機序として、ウイルスが増殖するのに必要なCapエンドヌクレアーゼと呼ばれる酵素のはたらきを抑えます。
半減期は、約4日間です。そのため、薬の作用時間が長く、1回の服用で体内に薬が長く残留します。
イナビル、タミフルなどは、ノイラミニダーゼ阻害剤と呼ばれています。感染した細胞からのインフルエンザウイルスの遊離を抑えることが、ゾフルーザとの違いになっています。
メリットとデメリットについて
ゾフルーザの利点としては、1回の服用で治療が完結することです。この点、イナビルも同様に吸入1回で完了します。
一方、タミフル、リレンザでは、5日間の投与が必要です。
デメリットとしては、治療中にウイルスが耐性化する懸念があります。副作用で注意すべき症状は、下痢、吐き気などの消化器症状、頭痛、異常行動、出血です。
担当医と相談して、薬の種類を決めることを勧めます。