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不眠が体重増加・肥満に及ぼす影響
睡眠障害は肥満と関係しています
なぜ肥満が起きるかというと、食べすぎ、不摂生などの問題があげられますが、不眠、睡眠不足が体重の増加、生活習慣病を発症する引き金となることがあります。反対に、肥満が原因となって、眠りの質が低下して、睡眠障害にもなります。
このページでは、睡眠と肥満の問題について、解説したいと思います。眠りのトラブル全般のことを睡眠障害と言います。この中で、不眠症、睡眠時無呼吸症候群については、高血圧、糖尿病などの生活習慣病と密接に関わっています。
不眠と体重増加
不眠のために睡眠時間が短くなることで、食欲を調節するホルモンの変化、糖代謝の調節、起きている時間帯の行動変容が生じます。
眠れない要因としては、精神ストレス、残業(長時間労働)、シフトワークのみならず、家庭での問題(介護、受験など)が多いようです。
睡眠が不足すると、食欲を抑えるレプチンの低下が低下します。また、起きている時間が長いので、食事摂取の機会が増加する傾向になります。その上、眠気、疲労感を解消させようと、高カロリー食品の摂取が増えます。
その結果、肥満が発症します。肥満は血圧が上がる、血糖が高くなるなどの生活習慣病の原因になります。
肥満が睡眠時無呼吸を引き起こす
閉塞型睡眠時無呼吸は、上気道が狭くなることで、眠っているときの呼吸が停止する、あるいは、いびき呼吸が生じる病気です。眠りの質が悪くなるので、昼間の眠気が生じます。
肥満が原因となることが多いですが、痩せ型の場合でも、顎の形態が原因となり発症することが少なくありません。
この病気があると、うまく眠れないために、睡眠不足の状況となります。その結果、不眠の場合と同じく、体重の増加、肥満の発症の危険があります。
肥満になると、睡眠時無呼吸を発症し、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームになりやすい傾向にあります。
一般的には、肥満度の指標であるBMIが増加すると、閉塞型睡眠時無呼吸の重症度が上がり、減量によって重症度が低下します。
出典:大井元靖,他:肥満症と睡眠障害.日本内科学会雑誌 第100巻 第4号,966-974,2011
予防するためには
毎日の睡眠について、一度、見直すことが大切です。一般的に、十分な睡眠時間をとり、質の良い眠りをとることが必要になります。
不規則な食事時間、運動する機会が少ない、嗜好品(タバコ、アルコール、カフェイン)が影響しいてるときは、改善することが、良い眠りにつながります。
最近、眠れない、眠気がある、大きなイビキをかくなどのサインがあれば、最寄の睡眠専門医に相談してください。