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肥満外来でサノレックスは保険適用ですか?
サノレックスは「高度肥満症(BMIが35以上)」と診断され、食事療法と運動療法の効果が不十分な場合に限り、保険診療として使用されます。
サノレックスは、単に体重を減らすためのダイエット薬ではなく、医学的に「高度肥満症」と判断された方に対して、食事と運動療法を補助する目的で用いられる食欲抑制剤です。

誰でも保険で処方されるわけではなく、適切な診断や肥満度の評価が前提となります。以下では、患者さんが特に気にされるポイントについて、医療制度に基づいて整理します。
サノレックスは保険適用だと、いくらかかるのか?
保険適用の場合、自己負担は1か月あたり数千円程度です。
サノレックス1錠当たりの薬価は、165.8円です。1回の診察につき14日間の処方が可能です。ただし、肥満外来では、初診時の診察、血液検査、生活習慣量の指導などが行われ、これらもすべて保険診療として算定されます。
当院の肥満外来では、薬を出すためだけの受診は行っておらず、肥満症という病気を安全に管理するための医療として位置づけています。そのため、結果的に自費ダイエットよりも総額は抑えられ、かつ保険診療としての妥当性が担保されます。
サノレックスの副作用やデメリットは何ですか?
正直に申し上げると、サノレックスには副作用や使用上の注意があり、誰にでも使える薬ではありません。
サノレックスは食欲を中枢で抑える作用を持つため、動悸、不眠、めまい、口渇、落ち着きにくさなどの症状がみられることがあります。

私の外来でも、「喉が渇く」、「便秘が多くなった」という患者さんの訴えは、再診時にみられることがあります。また、中枢神経に作用する薬であることから、使用方法や期間を守らずに飲み続けると、好ましくない影響が生じる懸念があります。
出典:Mazindol – ScienceDirect Topics
サノレックスを処方できない人(禁忌)はどのような人ですか?
結論から言うと、サノレックスは「特定の病気、状態・既往歴・薬との組み合わせがある人」には処方できない薬です。
サノレックスは中枢神経に作用する薬であり、すべての人に安全とは言えません。添付文書で示されている使用禁忌・慎重投与の目安を踏まえると、以下のような方には原則として処方できません。
- 重篤な心疾患(不安定な狭心症、重症の心不全など):心血管系への影響が出る可能性があるので禁忌です。
- 重度の高血圧:交感神経が上がり、血圧上昇のリスクがあるため処方できません。
- 緑内障の既往や眼圧が高い方:中枢神経作用の影響を受けることがあるため処方不可です。
- 重度の肝機能・腎機能障害がある方:薬の代謝や作用が変わる可能性があるため、処方できません。
- 妊娠中・授乳中の方:安全性に関する確立したデータがなく、胎児への影響を避けるため適応はありません。
- 不安・抑うつなどの治療を受けている方:精神症状の悪化があるので、投薬することができません。
これらは一例であり、初診時に医師が総合的に評価します。必ず既往歴、服薬状況を正確にお伝えください。
当院では、安全性を最優先し、禁忌・慎重投与の情報を踏まえて処方の可否を判断しています。そして、薬の特性上、初診でいきなり処方することはできませんのでご了承ください。
サノレックスの保険診療と自由診療の違いは何ですか?
結論から言うと、サノレックスは電子添文に定められている条件を満たす場合に保険診療で使用され、それ以外のケースでは自由診療として扱われます。
サノレックスは、日本では肥満症の治療薬として承認されており、BMIや合併症の有無など、国が定めた条件を満たした場合に、保険診療の枠組みで使用されます。
一方、これらの条件を満たさない場合には、保険診療として処方することはできません。医療機関によっては自由診療として取り扱われる場合がありますが、その際は保険が適用されず、費用は全額自己負担となります。
治療を検討する際には、この制度の違いを理解することが大切です。
サノレックスはいつまで使いますか?やめどきは?
結論から言うと、サノレックスは保険診療では添付文書に基づき、原則として3か月までの使用とされています。
サノレックス(一般名:マジンドール)は、保険診療で使用する場合、添付文書の規定を遵守することが前提となります。そのため、漫然と長期間使用することは想定されておらず、投与期間は原則として3か月以内と定められています。この期間制限は、効果がなくなるからではなく、安全性と適正使用を確保するために設けられているものです。
出典:食欲抑制剤 マジンドール錠 – 一般財団法人日本医薬情報センター
肥満外来では、サノレックスは「体重を減らし続ける薬」ではなく、食事量や間食の回数を見直すための「きっかけ」として用いられます。服用期間中に生活習慣の改善が進んだ場合には、3か月を待たずに処方を中止することもあります。

当院では、体重の変化だけでなく、食行動や生活習慣がどの程度安定しているかを確認しながら、終了の時期を前倒しにできるかを判断します。
当院の肥満外来での治療の流れ
最初のステップは、内科として医学的に「高度肥満症かどうか」を評価することです。
初診では、身長・体重・BMIの算出に加え、血圧測定や血液検査、既往歴、生活習慣について確認します。その結果、肥満症と診断され、サノレックスが適切と判断した場合にのみ、処方を検討します。処方後も、定期的な受診で副作用の有無や体重変化、生活改善の状況を確認します。

当院の肥満外来は、薬を出すことを目的としたものではありません。肥満症という病気を医療として管理し、将来的な合併症リスクを減らすことをゴールとしています。そして、サノレックスは保険診療のみで対応しています。


