- ホーム
- インフルエンザ疑いなら病院に行くタイミングは?
インフルエンザ疑いなら病院に行くタイミングは?
はじめに

冬になって、熱が急に出てきた、体がしんどい、関節が痛いなどの症状が現れて、「これってただの風邪?それともインフル?」という戸惑った経験はありませんか。
そのようなとき、病院を受診するべきか、家で様子を見るべきか、判断するのは簡単ではありません。仕事をしている人にとっては休むべきか迷うこともありますし、子育て中の親や高齢者と同居している方であれば、インフルエンザの感染リスクや体調の回復までの見通しも気になります。
このページでは、インフルエンザかもしれない症状を自覚したとき、「いつ病院へ行くべきか?」を判断するためのタイミングや症状の目安について解説します。
インフルエンザの主な症状とは

インフルエンザの典型的な症状には、突然の38度以上の高熱、強い倦怠感、関節痛や筋肉痛などがあります。これらの症状は風邪とは異なり、どちらかというと急速に出現することが多いです。午前は元気であったのに、お昼過ぎから突然体がしんどくなって熱が出てきたという感じです。
インフルエンザは、ただの風邪と違って、全身に強い症状が出ることが多い感染症です。
喉の痛みや鼻水、咳といった症状も見られますが、これらは他のウイルス感染症と共通してます。そのため、全身症状の出方や強さは目安になります。
出典:Flu Basics – Michigan Department of Health & Human Services
受診のタイミングを判断するポイント

発熱から何時間後に病院に行くべきかという疑問をもっている方がいるかもしれません。
インフルエンザの検査は、発熱があってからすぐに受けても正確な結果が出ない場合があります。その一方、熱が上がってきてから約12時間〜24時間ほど経過するとウイルス量が十分に増え、迅速抗原キットによる検査の精度が高まります。
発熱から数時間以内で受診する場合、本当はインフルエンザに感染しているのに、検査結果が陰性と出てしまうケースがあります。
上記のことから、発熱から12時間ほど経過してからの受診が、検査の精度を高め、診断を正確にするうえでの目安になるかもしれません。ただし、症状が急激に悪化したり、呼吸が苦しい、意識がもうろうとする、立てないほどだるいなど、普段の自分では考えられない体調不良がある場合は、すぐに診察を受けましょう。
小児(特に乳幼児)、65歳以上の高齢者、持病をお持ちの方、妊婦は、インフルエンザが重くなりやすいため、熱が出たらすぐに病院を受診することをおすすめします。
出典:Flu: What To Do If You Get Sick – CDC
受診を迷ったときの判断について
インフルエンザの症状があり合併症のリスクがある場合は、すぐに医師の診察を受けましょう。また、抗インフルエンザ薬は、発症してから48時間以内に使うことで、症状の続く期間を短くできるとされています。最速で治したいという事情があるなら、医療機関で診察を受けてインフルエンザの治療薬を処方してもらうという選択肢もあります。
次に示す症状は、受診を急いだほうが良い基準となります。
- 呼吸が苦しい、息切れがひどい
- 胸が重苦しい
- めまいが続く
- 意識がもうろうとする
- 水分を取れない、尿が出ない
- 全身や手足がけいれんを起こす
- 起き上がれないほど体が重い
出典:Influenza (flu) – Mayo Clinic
自分自身でタイミングを判断しかねるときもあるかもしれません。そのときは、政府が設けた救急安心センター事業への相談する方法があります。「今すぐ病院に行った方がよいか」あるいは「救急車を呼ぶべきか」などのアドバイスを受けられます。
休日や夜間に発熱などの症状が出た場合、「どこに相談すればいいのか」「今すぐやっている病院はあるのか」と気が動転することもあるでしょう。そんなときに役立つのが、厚生労働省が提供する医療情報ネットです。都道府県ごとに、現在診療ができる医療機関や休日・夜間対応の病院を探すことができます。
診断書や傷病手当金を希望するなら受診は必要?
学校や職場では、インフルエンザによる欠席や欠勤に対して医師の診断書や登校許可証の提出が求められるケースがあります。その場合は、受診しなければ証明が得られません。
また、会社員など社会保険に加入している方は、実際に職場を休んでいたときの日数について、医療機関への受診歴がないと傷病手当金の医師証明への記入が難しくなります。
診断書や公的な手続きが必要な場合は、早めの受診を検討しましょう。
再受診すべき症状と判断のタイミング

病院でインフルエンザと診断されて治療を受けた後でも、症状が改善しない場合や新たな症状が現れた場合は、再受診を考えるタイミングです。
具体的には、高熱が続いている、咳が長引いて悪化する、呼吸が苦しくなる、食事、水分が摂れないなどの症状がみられるときは、病状の悪化、合併症、別の感染症の可能性もあります。その場合は、早めに医療機関に相談しましょう。高齢者や基礎疾患のある方は、気になる症状があったら、再び医師の診察を受けることをためらわないことが大切です。
インフルエンザにかかってしばらく経ったあと、「血が混じった咳」や「悪臭のある粘り気の強い痰」が出てきたら、要注意のサインです。なぜなら、インフルエンザウイルスそのものでも肺炎を引き起こすことがありますが、免疫力が低下した体に細菌性肺炎が重なるケースがあるからです。このような症状の変化がみられたときは、早めの診察を推奨します。
出典:Flu (influenza) – Harvard Health