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いつも通っているクリニックがない場合の対処法
かかりつけ医はどんな存在なのか?
かかりつけ医は、あなたの身近にいて、健康に関することを何でも相談できる医師のことです。体調不良があったときに、最初に診てもらう「お医者さん」ですが、病状に応じて専門的な検査や治療が必要なときは、適切な医療機関を紹介してもらえる便利な存在です。
出典:東京都医師会
かかりつけ医を持っていない割合とは?
日本医師会が2022年に全国の20歳以上の男女について「医療に対する意識調査」を行いました。その調査報告によれば、かかりつけ医がいない割合は、全体の43.9%でした。70歳以上の高齢者が「かかりつけ医」を持っている割合は76.5%ですが、30歳未満になると29.7%の人しか、かかりつけ医がいないようです。
出典:日本の医療に関する意識調査 2022年臨時中間調査 – 日本医師会総合政策研究機構
高齢になると持病があるので、定期的な通院をしている人が多くなります。一方、若い世代では、病気になることが少ないので、病状が悪くならないと、医療機関に受診する必要性を感じていない可能性があります。
かかりつけ医がない理由とは何か?
- あまり病気にかからないので必要ないから
- 薬局の薬で対処できると思っているから
- その都度、好きな医療機関を選ぶから
- 大きな病院で診てもらうの好きだから
- 自分に合う医師が見つからなかったから
- かかりつけ医が何か理解していないから
- どのように利用すれば良いか分からないから
- どうやって探せばよいか分からないから
- 転勤や転居が頻繁であったから
かかりつけ医がいないデメリット
マイナス面 | 具体的な内容 |
---|---|
診療の一貫性 | 病院やクリニックへの1回だけ受診が多く、転々とすることが多いと、継続した治療管理を受けにくいです。 |
他の医療機関との情報共有 | 複数のクリニックに通院している場合、主治医の間で診療情報の共有が不十分で、重複した検査と治療が行われる懸念があります。 |
急病のとき | 自分の体調がおかしいと思ったときに、すぐに紹介状を書いてもらえず、受診が遅れる可能性があります。 |
病気の発見の遅れ | あなたの健康面を定期的に診る医師がいないと、病気の初期症状、普段と異なる小さな変化に気付かないことがあります。 |
医師と患者の信頼関係 | 毎回、異なるクリニックにいる医師にかかるので、コミュニケーションをとるのに気疲れする懸念があります。 |
医療従事者の対応 | 医師だけはなく、医療事務、看護師が、あなたの体質、気持ちを汲み取って対応するのに時間がかかります。 |
診断書と意見書の作成 | 一定の期間、診察を受けていない人が、初診でクリニックを訪問すると、必要な書類を書いてもらえないことがあります。 |
ワクチン接種 | ワクチンの流通量が少ないときに、普段、通院している患者へのワクチン確保が優先される場合があります。 |
よくあるデメリットとして、紹介状なしで大病院を受診するときの自己負担金の発生です。診察料とは別に、支払わなければならない料金であるので、注意しましょう。
具体的には、特定機能病院、一般病床が200床以上ある地域医療支援病院に、かかりつけ医の紹介状を持たずに外来を受診するときです。
出典:上手に医療機関にかかるにはどうしたらよいのでしょうか? – 政府広報オンライン
高齢者において、かかりつけ医がいないと不便になることがあります、具体例として、介護保険の書類や主治医意見書の作成について、新たに医療機関を受診して主治医となる医師を決めなければなりません。
これから「かかりつけ医」を探す人へ
日頃から、あなたの健康面について何でも相談できる、あなたの体調のことを寄り添って理解してくれる医師を見つけることを勧めます。大学病院への紹介状が必要なときは、地域のクリニックの医師に相談してみましょう。そのことがきっかけで、医師との付き合いが始まる場合もあります。
しかし、特に病気でもないのに、医療機関を受診することに躊躇するのも無理はありません。少し体調が悪くて相談してみたい、職場の健康診断で再検査を指示されたたので診察を受けたいなど、クリニックを受診するきっかけがあります。年1回の特定健診を受けるのも良いです。
大きな病院で入院していて、退院後に自宅あるいは職場近くで、継続した治療を受けるときは、かかりつけ医を見つけるタイミングになるかもしれません。
探し方は分からなくて困っているときは、次の見つけ方を参考にしてください。
- 住んでいる地域の医師会のページ
- 自治体のホームページ
- 保健所が提供している情報
世論調査で得られたデータから、多くの人が求めるかかりつけ医の特徴は、病状および治療内容を分かりやすく説明をしてくれること、外来で対応できない病状のときに専門の医療機関を紹介してくれること、そして、話を十分に聞いてくれることであることが明らかになりました。
出典:医療のかかり方・女性の健康に関する世論調査 – 内閣府
大きな病気を未然に防ぎ、不安なく健康を保って過ごすために、かかりつけ医を活用しましょう。気軽に話し合える存在が身近にあると安心です。