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インフルエンザワクチンを打った後に飲酒をしても大丈夫?
インフルエンザ予防接種後の飲酒をするとどうなる?
毎年、秋から冬にかけてインフルエンザワクチンを打つときに、「いつから飲酒ができるか」「当日のアルコール摂取は、問題ないか」という質問が、多くの方々から寄せられます。
飲み会があるけど、どのくらいの量のアルコールを飲んで良いか、前日に飲酒してしまったけど大丈夫か、次の日ならアルコールを飲んでも影響はないかという疑問はありませんか。このページでは、インフルエンザ予防接種と飲酒に関する注意点を解説します。
なぜ飲酒に注意する必要があるか
少量の飲酒が免疫反応に大きな影響を及ぼすことはないと考えられています。一方、過度の飲酒は免疫担当細胞の働きを低下させる可能性があります。
出典:Pasala et al. Impact of Alcohol Abuse on the Adaptive Immune System. Alcohol Res. 2015;37:185-97.
やはり、お酒をたくさん飲むことは避けた方が良いと考えられています。
お酒を飲んで体調が万全ではない状態で予防接種を受けると、副反応が出現したときの原因を特定することが困難になります。特に、高齢者、お酒に弱い人は、アルコール摂取を控えたほうが無難です。
前日のアルコール摂取はどうすれば良いか
飲酒をしても構いません。ただし、適量を飲むことを心掛けてください。翌日にお酒が残っている感じがしなければ、インフルエンザワクチンを接種しても良いと考えます。
次の日のワクチン接種があるので、二日酔いにならないように体調を整えておくことは大切です。
予防接種の当日の飲酒について
インフルエンザワクチンの接種後にお酒を飲む場合は、適量の飲酒であれば、問題ありません。ただし、ワクチンを打った直後は避けてください。
体調の変化、副反応の出現をみるために、2~3時間程度、経過してから飲酒をするほうが無難です。
国内の研究報告によれば、ワクチン接種を受けた当日に、運動、入浴、アルコール摂取などの日常の活動では、副反応の発生に影響しないことが分かっています。ただし、強い運動は避けることが重要です。
女性、高齢者は、ワクチンを受けた後の飲酒について、注意したほうが良いと考えます。女性は男性と比較すると、飲酒後により早く、そして、少ない飲酒量で、アルコールによる身体への影響が現れやすいからです。
出典:Women and Alcohol – National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism
高齢者は肝臓の代謝が低下しているので、アルコールが体に残りやすいです。そして、基礎疾患に対する薬剤とアルコールとの相互作用が起きる可能性があります。そのため、高齢者ならインフルエンザワクチン接種後の飲酒について、慎重になるべきです。
一般的に、当日の深酒は避けるべきです。必ず適量にすることが大切です。特に飲み会があるときは、アルコール摂取量について抑えることを忘れないでください。
副反応があるときは、当日の飲酒をどうすべきですか?
ワクチンを打ってもらった後に、腕が腫れる、かゆくなる、痛い、熱っぽいという症状が現れることがあります。接種後24時間以内に発生することが多いですが、副反応が目立つときは、飲酒を中止してください。
どのくらいのお酒が適量か?
許容量の目安については、純アルコールとして20gまでくらいの飲酒量としましょう。下記にある一覧を参考にしてください。実際には、摂取量を少なめにすることを勧めます。前日の深酒は、厳禁です。
種類(度数) | 量 |
---|---|
ビール | 500ml |
日本酒(15%) | 1合(180ml) |
焼酎(25%) | 0.5合(90ml) |
チューハイ(7%) | 350ml |
ワイン(12%) | グラス1杯(120ml) |
ウイスキー(40%) | ダブル水割り(原酒:60ml) |
翌日の飲酒は問題ないでしょうか
予防接種を受けた時間にもよりますが、ワクチン接種から24時間が経過していて、副反応がなければ、飲酒しても構いません。ただし、次の日に、二日酔いにならない飲酒量にすることが大切です。