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母乳で育児をしているときの花粉症の対処法
授乳中のママが知りたい花粉症の対策
毎年1月末から花粉症の症状を訴えて来院される人が増加してきます。その中で、母乳で育児をしているママから、「授乳中でも使える鼻炎の薬は何か?」という相談を受けることもがあります。
鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目の痒みがひどいのに、母乳を赤ちゃんに与えているので、薬を使わずに我慢していませんか。
2月から3月にかけてスギ花粉の飛散量が多い地域では、子育て中のママが「何とかして病状を和らげたい」という気持ちになります。そこで、授乳中のときに使える花粉症の治療薬と注意点について解説します。
どんな薬が授乳中に使えるか?
母乳を与えているときにも使える処方薬として、抗ヒスタミン薬であるクラリチン、デザレックス、アレグラなどがあります。
これらの薬剤は、眠くなりにくい特徴を持っています。そのため、自動車の運転をするときに選択されることが多いです。
その他の処方薬として、ジルテック、ザイザルなども授乳している女性に使われることがあります。しかし、眠気の副作用が報告されています。さらに、母乳に移行した薬の有効成分によって、乳児に眠気が生じる可能性があるので、注意すべきです。
眠くなりにくい抗ヒスタミン薬を飲んでも、鼻炎の症状が解消されないときに、少量のd-クロルフェニラミンマレイン酸塩を用いることがあります。ただし、服用後は、乳児の傾眠の傾向がないか、注意深く観察しなければなりません。
出典:Selecting and using antihistamines during breastfeeding – Specialist Pharmacy Service
国内では、ポララミン錠2mgがアレルギー性鼻炎に対して保険適用が認められています。後発品は、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩錠2mgに製薬会社の名称が続く形式の名称となっています。
薬の服用方法の工夫は、ありますか?
薬を飲む直前に授乳をすることで、赤ちゃんへの影響を極力少なくできます。
出生してから間もない時期は、薬を使って良いですか。
新生児は、母乳を介して体内に入った薬を代謝する能力が低いです。生後1ヶ月は、赤ちゃんが薬の影響を受けやすいので、ママの服薬を見合わせましょう。
点鼻薬の活用について
スプレータイプの鼻炎薬の活用できます。飲み薬とは異なり、点鼻薬は局所で効果を発揮するので、授乳をしているときにも使えます。
スギ・ヒノキ花粉が鼻粘膜において引き起こしている炎症を抑えるために、ステロイドを含んだ点鼻薬の処方ができます。
具体的な薬剤名として、アラミスト点鼻液、フルナーゼ点鼻液、リノコートパウダースプレーなどがあります。
目の痒み対策に使われる点眼薬
目薬の場合、薬の成分が血液中に移行しないので、母乳による育児をして頂いて構いません。具体的によく使われる目薬として、ザジテン、ゼペリン点眼液があります。
何科に相談すればよいか
婦人科、耳鼻咽喉科、内科に相談すると良いでしょう。産婦人科の中では、内科で薬をもらうように指示される病院もあります。そのときは、あなたの体調、飲んでいる薬などの情報について、整理しておきましょう。そして、花粉症の診察を受ける前に産婦人科の医師に伝えることを勧めます。
まとめ
授乳している女性においては、非鎮静性の抗ヒスタミン薬、点鼻薬、点眼薬の組み合わせによって、スギ花粉によって起きるアレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎の症状を緩和する方法があります。
出典:Antihistamines and Breastfeeding – The Breastfeeding Network
薬を処方してもらうときには、授乳婦への投薬に詳しい医師に相談することが大切です。