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インフルエンザと風邪の症状に対する漢方治療
漢方薬とは
植物、動物、そして鉱物の中には、私たちの体調不良からくる症状を抑える成分があることが知られています。自然界にある産物を治療薬として応用したものが漢方薬です。
風邪とインフルエンザの症状で困っているときにも、漢方薬を使うことができます。
風邪薬や抗インフルエンザウイルス薬の作用との違い
発熱、頭痛、鼻水などの症状が出るときに、薬局で風邪薬を購入した経験を持つ方もいると思います。
解熱鎮痛薬と呼ばれることもあり、熱を下げ、痛みを抑えることができます。鼻水を止める抗ヒスタミン薬や咳を止める作用のある成分を含んだ総合感冒薬もあります。症状を抑える目的であるため、対症療法と言います。
インフルエンザの場合は、対症療法を行うことに加えて体内でのウイルス増殖を抑える作用の薬を活用することが多いです。
漢方では、上気道の炎症を抑えたり、自分の免疫を高めることでウイルスを退治する作用があります。その上、対症療法の側面も持っています。
漢方の選び方について
1.初期に使う薬
子ども、体力のある成人では、麻黄湯を処方することが多いです。風邪には葛根湯を使う人もいます。高齢差、体力があまりない成人では、麻黄附子細辛湯を使います。
麻黄が含まれている漢方は、体温を上げ、発汗させる作用があります。寒気にも有効で、病気の初期に飲むことで、汗が出て、解熱に導きます。基本的には、発汗したら中止します。
ただし、高齢者では、麻黄剤は血圧、動悸、排尿障害などの副作用が出やすいので、注意を要します。漢方は、一人一人の体質と病状に応じて、使い分けることが大切です。
出典:日本東洋医学会
2.発汗が生じた後に使う薬
汗が出てから、症状が続くときは、柴胡剤と呼ばれる漢方を使います。柴胡桂枝湯、小柴胡湯などを考慮します。残存している発熱、炎症、痛みを抑える生薬です。
3.治りかけで回復期に使う薬
体調が普段に戻りつつあるが、本調子ではないときは、補中益気湯を使ってみることがあります。疲労感と食欲不振に対する効能があります。
咳が長引くときは、竹筎温胆湯の処方を考えます。
インフルエンザ検査で陰性のとき
急激な発熱と倦怠感、そして関節痛などの症状が出ると、病院でインフルエンザの検査を受けることがあります。
迅速キットの結果が陽性であれば、抗インフルエンザ薬を使うことが多いですが、病気の初期では陰性の判定となりこともあります。
漢方による治療では、風邪とインフルエンザの両方が疑われるときも、あなたの症状と体質に応じて生薬を選ぶことができます。
保険適用について
インフルエンザ、かぜの症状に対して、医師が診察を行い、処方箋を交付します。病状に応じて漢方薬と西洋薬を組み合わせることもできます。